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顧客リストの活用が、DM成功の鍵~リスト収集・分析・活用の3ステップ

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【前回】「DM+デジタルで相乗効果、押さえておきたい4つの手法」はこちら

ダイレクトメール(DM)の企画からクリエイティブ、発送、改善に至るまで幅広い実務知識を体系的にまとめた『新DMの教科書』(日本ダイレクトメール協会著)が発売となりました。本連載では、執筆者が交代で本書のポイントを紹介するとともに、現在のDMメディアの姿を伝えていく予定です。今回は、兼松経営 代表取締役 兼松祐二氏が「顧客リストの活用」に迫ります。

DMを成功させる大きな要素の1つに「顧客リスト」の存在があります。連載の第3回では、顧客リストを「リスト収集」「リスト分析」「リスト活用」の3つのステップに分解し、DMが活躍する場面やポイントを解説していきます。

リスト収集:見込客データを収集し購入客へ引き上げる

 リスト収集に関して重要なことは、購入客のリストのみではなく、まだ購入はしていないが興味はあるという「見込客リスト」を獲得することです。興味がある人をつかまえて、こちらから接触をして購入客に育てるという考え方です。

図1:見込客獲得~購入客への育成フロー

出典:「DMマーケティングエキスパート」セミナーより

見込客リストの収集~購入客への育成は、コミュニケーションコストの低いデジタルが中心となります。WEB広告などでランディングページに見込客を呼び寄せ、入力フォームに誘導し見込客情報を蓄積します。しかし、ここのフローの中でも紙DMは重要な役割を担います。

例えば、店舗周辺の住民に告知をする場合は無宛名DM「タウンプラス」を活用する方法があります。スマホの登場で、一昔前より紙からWEBへのクロスメディアの成功率が高くなっているため、無宛名DMからランディングページに誘導し、見込客を獲得するケースも増加しています。

その後、獲得した見込客リストを購入客に育てるためのコミュニケーションもステップメールやメルマガを中心としたデジタルが主流となります。しかし、紙DMはここでも活躍します。3つの紙DM活用方法を見てみましょう。

  • ①購入意欲引上はデジタル、クロージングは紙DM
    デジタルの弱点ともいえる「クロージング力」は紙媒体が得意な部分です。購入意欲が高まってきた見込客の最後の一押しとしてクーポンや招待状を付けた紙DMを送付し購入につなげます。
  • ②デジタルを閲覧しない人に、紙DMで訴求
    Eメールを送るが開封・閲覧しない見込客には、Eメールからのレスポンスは期待できません。そのような見込客には紙DMでの接触に切り替えましょう。
  • ③情報入手経路が紙媒体からの見込客に対して
    紙媒体から情報入手した見込客は紙に慣れている方が多く、今後の接触も紙媒体で行うとレスポンスが高いケースがあります。

このようにデジタルとDMを融合しながら見込客を購入客へ育成します。

リスト分析:RFM分析で運用

購入客に関しては、常に優良顧客が誰であるか、また、課題は何かがわかる「セグメント管理」をしておく必要があります。分析手法は、DMのレスポンスを上げるためのセグメント手法として代表的な「RFM分析」を行うことがおススメです。
RFM分析の中でも、特にR(最新購入日)とF(購入回数)の2軸で行うRF分析が重要となります。いかに、最新購入日から期間があかないように次の購入をしてもらうかがポイントです。RF分析を常に行っておくと、DMを出す際のターゲット設定が迅速にでき、また常に「課題が把握できる」ため迅速に改善策を行うことにつながります。

リスト活用:分析したデータからターゲットに対する戦略を導く

RF分析を基に、誰に対してどんな施策を行えばよいかを考えてみましょう。図2はRF分析と、セグメントされた顧客ごとに何をしたらよいかが記載されています。

図2:RF分析のセグメント別施策

出典:「DMマーケティングエキスパート」セミナーより

全員に対してセールを告知することも重要ですが、優良顧客に引き上げるためには図の①~⑤のセグメントごとの個別対策が必要となってきます。本書では、この部分も詳しく記載をしています。

このコラムの内の分析手法の詳細や、ここには記載していないデータ管理手法なども『新DMの教科書』には詳しく掲載しております。ぜひお手に取ってご覧ください。(分析も含め論理的な企画提案や実務的なノウハウを身につけたプロの証「DMマーケティングエキスパート資格」が取得できる2017年度DMマーケティングエキスパート認定資格試験についてはこちら)。

兼松 祐二
兼松経営株式会社 代表取締役

会計をベースにした経営コンサルティング会社で経営改善・事業計画策定などに携わった後、印刷会社で顧客分析やGIS分析を基にDMを中心とした販促提案に取り組む。2012年に独立し、経営と販促の両面から中小企業を支援する経営コンサルタントとして活躍。企業の社員研修や全国での販促セミナーの講師も行っている。

 


新DMの教科書 「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキスト
日本ダイレクトメール協会著/宣伝会議刊行(2017年7月10日発売)

広告メディアとしてのDMについて、企画からクリエイティブ、実施に至る幅広い実務知識を体系的にまとめた1冊。日本ダイレクトメール協会の「DMマーケティングエキスパート」認定資格公式テキストとして、業界標準の実務能力を示す資格試験受験にも活用いただけます。「DMマーケティングエキスパート」とはDMマーケティングのプロたる証で、取得すれば知識の習得からクライアント先での信用度に貢献するメリットが生まれます。

2017年度の試験についてはこちら

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