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「あずきバーは固い」「紫陽花パフェに行列」人気Twitter中の人対談

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運用の確立は1年かかる

伊藤:私たちも基本的には反応がよかった投稿、よくなかった投稿の検証を重ねて学んでいきました。そのためにはやはり投稿の数も必要になります。今はアクティブユーザー数とリーチの関係から投稿時間を「19時」と決めていますが、Facebookを始めた当初は毎日投稿してその効果を調べていました。1年ほどでお客さまの属性を把握することができ、現在の運用方法が確立されていきました。

井村屋:私も運用方法の確立には、1年ほどかかると思います。もし時間をかけずにすぐに結果を出さなければいけないのであれば、広告を打たなければ難しいでしょうね。それとエンゲージメント率は、計算式の関係でフォロワー数が増えれば増えるほど下がりやすくなってしまうため、確認はするもののそこまで重要視はしていません。

伊藤:井村屋さんがおっしゃったように、フォロワー数が増えるとエンゲージメント率は確かに減少しますね。私たちも、Facebookを始めた1年目はエンゲージメント率10%を目標にしていましたが、今はあくまで指標として見るようになっています。現在、Facebookのフォロワーは約12万人となっていますが、1万人だった時期と12万人の今ではエンゲージメント率はまったく違います。現在も平均値としては高い方ではあると思いますが、以前と比べてしまうとあからさまに下がっているので、そこまで気にしないようにはなってきていますね。

井村屋:一番大事なのは、目的を明確にすることだと思います。もし商品を売るのが目的であれば、運用方法も適したフォロワー数も変わってくると思います。目的を把握することがまず大事で、そうでなければ社内で無理難題を押し付けられることにもなりかねません。

冒頭で話した通り、私たちは「井村屋」をブランディングするという目的があったため、コミュニケーションアカウントとしての運用となっています。そのために「井村屋」というワードを出すようにしていますが、商品販売はしないようにしています。当社はメーカーのため、商品をスーパーやコンビニで買ってもらうことが一番になります。ウェブショップはあくまでもサポートと考えていて、営業は商品が市場に出るように努力するべきだと。ただ、EC限定商品は例外。私に責任があるので、購入を呼びかけるようなつぶやきをすることもあります(笑)。

伊藤:SNSを運用していると、運用する側としては「一対多数」だと思いがちですが、突き詰めていくとSNSは、「一対一」のツールになるはずです。パソコンやスマートフォンを通してコミュニケーションを取るわけですが、画面の向こう側には自分たちと同じ「人(お客さま)」がいるのだと心得るようにしています。

画面に向かっているとどうしても機械的な対応になりがちですが、思い入れや情熱がなければ相手にも伝わるもの。例えば仕事に向き合うモチベーションがちょっと下がってしまったとき、個人のテンションがユーザーの皆さんに伝わってしまうのは会社として発信している以上、よくないですよね。そんなときは定期的につぶやいているネタを数種類ストックしておいて発信するなどの対策もしています。
必要なスキルがあるとすれば、画面の向こう側にいる相手をどれだけ想えるか、の一言に尽きると思います。相手が何を望んでいるかをしっかりと考えて運用することが一番大切になるはずです。