【前回の記事】「デジタルシフト相談室「クリエイターの皆さんのお悩みに答えます」編」はこちら
詳細はこちら
新刊『急いでデジタルクリエイティブの本当の話をします。』の発売を記念して、著者の小霜和也氏が、現場でデジタルシフトに取り組む皆さんからの悩みに答える本連載。
最終回にあたる今回は、味の素 広告部長 名久井貴詞氏と、レシピ動画メディアDELISH KITCHENを展開するエブリーから「MAMADAYS」編集長宮下ゆりか氏、同 ディレクター 塚原文子氏との座談会をお届けします。
広告主、メディア、クリエイティブそれぞれの立場から「デジタルクリエイティブ」への取り組みを語っていただきました。
モノを売る広告には、ある「構造」が存在していた
小霜:
僕が名久井さんに興味を持ったきっかけは、以前、対談をご一緒にしたときに「テレビCMでABテストをやっている」という話をされたことでした。成功したCMがあったので、その要因を確かめるために、全く違う商品で同じ構造で試してみたと。面白い方だなと。
名久井:
「TossSala®(トスサラ)」のテレビCMの話ですね。トスサラは粉ドレッシングとクルトンなどのトッピングが入ったサラダ用のシーズニングです。実は最初のCMは、商品が全く動かなくて、失敗しているんです。その後、全国販売に拡大するタイミングでクリエイティブをつくり直したのが菅野美穂さん出演のCMです。このCMは大成功で、トスサラが売れすぎて、工場の生産が追い付かなくなり、私の会社員人生で初めての“休売”になったほどでした。
そのときに「なぜこのCMはヒットしたんだろう?」と考え、CMのカット割りを調べてみたら、“ある構造”に気づいたんです。その構造を、全く別の商品で試してみたら、また売れたんです。
塚原:
私はママ向け動画メディア「MAMADAYS」のディレクターをしているので、味の素さんのCMはよく研究しています。確かに菅野さん出演のCMから構造がちょっと変わったと思ったんですけど、それが何かはよくわからなくて…その“ある構造”って何ですか?

