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SSP大手のルビコン・プロジェクトが、ヘッダー入札ソリューション特化の独立系組織を設立

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米国の大手SSP企業のルビコン・プロジェクトはAppNexusと共同で、ニュースサイトや情報サイトなどオンライン媒体(パブリッシャー)のプログラマティック広告取引の透明性を高めるため、オープンソースのheader bidding(ヘッダー入札)の開発・普及に特化した独立系の組織「Prebid.org, Inc.(プレビット・オーグ)」を設立した。

11月9日、来日したPrebid.orgのプレジデントを務める、Pieter de Zwart氏(ルビコン・プロジェクト VP of Engineering)に組織設立の背景やプログラマティック広告市場の展望について話を聞いた。

—ルビコン・プロジェクトの事業について教えてください。

ルビコン・プロジェクトは米・ロサンゼルスに拠点を置き、世界に13拠点を展開している。日本には2014年に進出し、この市場に最初にPrivate Market Place(PMP)を持ち込んだ。現在、日本のオフィスには6名の社員が働いている。日本は世界の市場の中でも、特に注力する市場と位置付けている。

—Prebid.orgを設立した理由とは。

広告取引において、以前は主流だったウォーターフォール式に代わり、現在はヘッダー入札が普及してきた。ヘッダー入札とはPMP、アドネットワーク、純広告などすべての市場を一元化して扱い、その中で最も高い価格で入札した相手に広告を販売する仕組みである。普及に伴い、SSP事業者がヘッダー入札ソリューションを提供するようになったが、特にパブリッシャーにとっては入札のプロセスが不明瞭であるという問題が出てきた。

そこでオープンソースのヘッダー入札テクノロジーを業界で広め、公平で効率的な収益化ソリューションの浸透を推進し、パブリッシャー、広告主、ユーザーにとって有益なエコシステムをつくることを目的にPrebid.orgを設立した。現時点で、このコミュニティには81社のディマンドパートナー、5社の分析プロバイダ、プロジェクトにコードを提供する191人の個人が参加している。

—プログラマティック広告は今後、どのように進化していくと思いますか。

すでにデスクトップPCのブラウザ上の広告は、おさえられているが、これからデジタル広告のフォーマットや接点となるデバイスの種類は多岐にわたっていく。デジタル化した広告枠であれば、すべてがプログラマティック広告取引の対象になっていく。具体的にはフォーマットで言えば、動画の他に、今後は音声の市場も拡大が見込まれる。さらにデバイスで言えば、スマホやさらにデジタルサイネージなどにも対象が広がっていくだろう。

こうした先にある未来においては、クロスデバイスで個々のユーザーの接触状況をトラッキングし、クロスデバイスであっても最適化された広告の配信が可能になっていくだろう。

ルビコン・プロジェクトはプレミアムな広告在庫に強みを持つが、良い枠でさえあればプレミアムと呼べる時代は変わっていくと思う。広告主が安心して出稿できるプレミアムな枠であることは大前提となり、広告の先にいるオーディエンスのデータを緻密に把握し、そのデータをもとに、プレミアムの定義がなされていくような環境に変わっていくと思う。当社もそうした時代に向けて、研究開発を進めている。