服育? 食育?それがどうした—NHK・Eテレ「ビットワールド」の狂育マーケティング

【前回コラム】「スーパー戦隊の「働き方改革」!?ダイバーシティ戦略の果て」はこちら

「おかあさんといっしょ」からの卒業

魔の2歳児、悪魔の3歳児という呼び方がありまして。

子どもに自我が芽生えて反抗的になるこの時期を「イヤイヤ期」などと呼ぶのですが、うちの娘の場合そんなかわいいものではありませんでした。めちゃめちゃオラついてましたね。「オラオラ期」ですね。

信じられますか?メンチ切る乳児。

遊びはおままごとから戦いごっこに。「ゔおぉりゃー!」という雄叫びとともに容赦なくヒーローの蹴りが跳んできます。あばら折れる。

Eテレは、元々「教育テレビ」と名乗っていただけあって知育番組がメインです。

健やかなお子さまを育むには、これ見せとけば安心。というのが一般的なイメージですよね。食べ物で言えば自然素材。服はコットンみたいな。

そう思ってすっかり油断していました。

「おかあさんといっしょ」でよろこんでいた可憐な娘は何処へやら。オラオラ期を迎えた彼女はEテレの恐るべきダークサイドに闇堕ちしていくのでした。

次ページ 「狂育番組「ビットワールド」」へ続く

狂育番組「ビットワールド」

「ビットワールド」は、視聴者の投稿による参加型の番組です。舞台は近未来のディストピア。視聴者はビットキャッスルの住人となり、うじゃ虫という「バグ」を駆除することで手に入る「カオスダマ」を集めます。

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石井 原(ネアンデルタール クリエイティブディレクター、アートディレクター)
石井 原(ネアンデルタール クリエイティブディレクター、アートディレクター)

1969年生まれ。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒業。博報堂を経て、2005年風とバラッドに参加、2011年ネアンデルタール設立。東京ADC賞、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞、日経広告賞グランプリ、東日本ポスターグランプリ、第50回ACC賞マーケティング・エフェクティブネス部門グランプリ ほか。

石井 原(ネアンデルタール クリエイティブディレクター、アートディレクター)

1969年生まれ。武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科卒業。博報堂を経て、2005年風とバラッドに参加、2011年ネアンデルタール設立。東京ADC賞、朝日広告賞、毎日広告デザイン賞、日経広告賞グランプリ、東日本ポスターグランプリ、第50回ACC賞マーケティング・エフェクティブネス部門グランプリ ほか。

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