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「300円」の商品を売っているグローバル企業を、思い浮かべてみてください
突然ですが、皆さんは「300万円の商品を売っているグローバル企業」と聞いて、どんな企業を思い浮かべるでしょうか。トヨタ(日本)、GM(アメリカ)、VW(ドイツ)、プジョー・シトロエン(フランス)、ヒュンダイ(韓国)などなど、思い浮かびますよね。
それでは、3万円となるとどうでしょう?アップル(アメリカ)、サムソン(韓国)、ソニー(日本)、フィリップス(オランダ)、エレクトラックス(スウェーデン)などなど、これもいろいろと出てきそうです。
ではでは、300円ならどうでしょう?コカ・コーラ(アメリカ)、P&G(アメリカ)、ユニリーバ(イギリス・オランダ)、ネスレ(スイス)、レッドブル(オーストリア)。
もう一声!ということで、さらに考えてみると…「薬用せっけんミューズ」でお馴染みのレキットベンキーザー(イギリス)、「オレオ」でお馴染みのモンデリーズ(アメリカ)、「スクラビングバブル」でお馴染みのSCジョンソン(アメリカ)と、いろいろと出てくるのではないでしょうか。
しかし、ここで気づくのが、ここまで上げても日本の企業が出てこない、ということです。
コモディティー商品はブランド開発がビジネスを決する
300円の商品ともなると字義通りの意味で「コモディティー」なので、品質管理や技術開発もさることながら、ブランド開発がビジネスの雌雄を決します。最も極端な例は、清涼飲料水の一つである水でしょう。中身はただの水なのですから、硬度などに多少の違いはあれ、商品そのものに品質や技術革新の点で大きな差をつけることはできません。アメリカの大手スーパーでは、濾過した水道水をブランドのラベルをつけたペットボトルに詰め、きちんと水道水と銘打った上で販売していたりもします。そうなると、消費者の選好を分ける要素の大部分は“ブランド”ということになります。
