【前回コラム】「服育? 食育?それがどうした—NHK・Eテレ「ビットワールド」の狂育マーケティング」はこちら
日曜の朝は忙しい。
8時30分から「プリキュア」「仮面ライダー」「戦隊シリーズ」と、子どもヒーローの最強コンボから、「ワイドナショー」へ連なるゴールデンタイムが続くのです。
地上波をリアルタイムで見る機会は滅多にないのですが、この時間帯だけは我が家のリビングは昭和のお茶の間のようにテレビの前に家族が集まります。
「HUGっと!プリキュア」が描きたいこと
この春プリキュアの最新シリーズ「HUGっと!プリキュア」が始まりました。子どもに付き合って見るようになるまでは、ただのかわいい女の子向けのアニメだと舐めていました。
連載の
第二回(スーパー戦隊の「働き方改革」!?ダイバーシティ戦略の果て)
でも少し触れたのですが、プリキュアは戦略的に現代的なテーマを取り入れているようです。
ネット上ではすでに、「敵はブラック企業」「ヒロインの中学生が子育て」「シングルマザーを応援」などという話題で賑わっていますが、これらのキーワードは単なる「撒き餌」に過ぎません。
この物語の本質はもう少し違うところにあるのではないかと思います。
絶望という名の敵
プリキュアの敵はクライアス社(=暗い明日社)。生徒指導に悩む教師や、モンスタークレーマーに怒られた花屋の店員など、人々のネガティブな感情を増幅し、「オシマイダー」という怪物を出現させます。
