1社のエージェンシーに全てを任せられる時代は終わった — チーム編成こそ「創造的」に

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欧米にはあって日本にはない。「ピッチコンサルタント」という仕事

123RF

欧米の広告業界には「ピッチコンサルタント」という業態があります。文字通りエージェンシーピッチ(コンペ)のコンサルティングをするわけですが、つまり欧米ではピッチのプロセスにコンサルが必要となるくらい複雑性が高く、かつ重要度の高いものだと考えられているのです。エージェンシーのパフォーマンスは、カーレースで言えばマシンの性能のようなものです。いかにドライバー(広告主)が優れていようと、マシン(エージェンシー)の性能が劣っていては、勝利はおぼつきません。広告主にとってエージェンシー選定の重要度が高いことには、誰も異論はないでしょう。

複雑性はどうでしょうか。ここは欧米と日本では事情が異なります。いや、「異なりました」と言っておきましょう。まずは第一に、欧米ではメディアエージェンシーとクリエイティブエージェンシーが別れています。同じグループのメディアエージェンシーとクリエイティブエージェンシーがアサインされていても、経営もオフィスの物理的な場所も異なる別の会社です。

 

また、契約の形態のバリエーションにも違いがあります。クリエイティブエージェンシーとの契約形態が、日本で一般的なコミッション制ではなくフィー制であるというのはよく知られていますが、そのフィーがさらにリテーナーとノンリテーナーに細分化されます。

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井上 大輔(OFFICE pianonoki マーケター)
井上 大輔(OFFICE pianonoki マーケター)

OFFICE pianonoki マーケター。
ヤフー 、ニュージーランド航空、ユニリーバでデジタルマーケティングの責任者を歴任し現職。advertimesコラムニスト。
ツイッター:@pianonoki
著書に「デジタルマーケティングの実務ガイド」

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