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2カ月間の「宣伝会議賞」への挑戦は、何を残してくれる?

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言葉について正面から向き合い、コピーを考えぬいた応募期間の2カ月間は、その後の若手コピーライターのキャリアにどのような経験として残るのでしょうか。第33回「宣伝会議賞」でグランプリを受賞し、
現在ではコピーライターとして活躍する傍ら「宣伝会議賞」の審査員も務めている石田文子さんに聞きました。

石田文子(いしだ・ふみこ)
電通
第2CRプランニング局 クリエーティブ・ディレクター/コピーライター

最近の仕事にユニクロ・ブラトップ「100人の胸。100の美しさ。」、シチズンxC「なにかを始める時が、その人の春だと思う。」、明治「POWER!ひとくちの力」など。ACCジャーナリスト賞、アドフェスト、スパイクスアジア金賞など受賞多数。

—当時、「宣伝会議賞」にどのような思いで挑戦していたのでしょう?

応募していた当時は、まだ仕事をはじめて間もない頃でした。名刺にこそコピーライターと書いてあるものの、コピーに関して自信がなく「この肩書きを名乗っていいのかな」という不安がありました。「宣伝会議賞」に応募していたのは、自分の実力を確かめたいという気持ちがあったからです。

—受賞した際のエピソードをお聞かせください。

受賞の電話をもらった時は、もちろん嬉しかったのですが、受賞したのは自信があった作品ではなく、考えに考えた結果、最後の方にポロッと出たコピーでした。「え、あのコピーが?」という感じ。なので、応募者のみなさんも上手く書けたと思うコピーより、自分らしさが出せた、楽しく書けたと思える作品があったなら、期待してもいいんじゃないかと思います。
「宣伝会議賞」では、受賞と同時にコピーを見る目、良いコピーを“選ぶ能力”をもっと鍛えなければいけないと気づかされました。私は今でも、書いたものを翌日あらためて見返したり、環境を変えて眺めたりすることで、できる限り客観的に判断できるよう意識しています。

—1回目の応募の経験が、2回目以降に生きた点はありますか。

コピーを考えることは“筋トレ”に近いと思っています。気持ちが悪くなるくらいまでコピーを考える経験を何度もしていくと、どうすれば自分からコピーが出やすいか、次第に分かってくるようになります。そういう意味でも、回を重ねることには意味があるんじゃないでしょうか。
また課題について考えることは、さまざまな企業や商品、世の中を研究するということ。特に自分が普段関心を寄せていないものを深く知ろうとする行為は、日常ではなかなかない機会です。その過程で自分にはなかった視点が持てるようになったり、新しい発見があると思います。

—応募者の皆さんに一言お願いします。

もし受賞できなかったとしても、それだけで「自分はコピーライターに向いてない」とは思わないでほしいですね。いまは言葉の伝え方がちょっと不得手なだけかもしれない。コピーを書くことが好きで継続しているうちに伝え方の“コツ”みたいなものが分かってきて、書くスキルが一気に上がる人もいます。作品の評価とは関係なく、「宣伝会議賞」でコピーを書くことが“好き”という気持ちが芽生えたなら、絶対つづけた方が良いと私は思います。


第56回「宣伝会議賞」は10月31日をもって、応募を締め切りました。
皆さまのたくさんのご応募、誠にありがとうございました。
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今後の審査にもぜひ、ご注目ください。