データドリブンマーケティングにおけるコミュニケーション設計

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2018年10月26日、東京品川のマクロミル本社において「データドリブン時代のマーケターに求められることは?」と題したセミナーが開催された。第1部では、データを元に企業のマーケティング支援を行なっているSupershipのCMO中村大亮氏と、『シングル&シンプル マーケティング』著者の本間充氏の特別対談「データドリブンマーケティングにおけるコミュニケーション設計」が行われた。

対談では、中村氏のSupershipも導入を進めている「パーセプション・フロー・モデリング」について解説。このフロー作成時には企業が持つデータを集約することも多く、その際「ブランドマネージャーが『こんな調査していたんだ』と言うこともある」(中村氏)と話し、調査とその結果が社内でも共有されていないという現状に触れた。

本間氏はこれを受けて「調査を専門とする人の持っている情報が、マーケティングのストラテジーを考える人に届いていない可能性がある。調査をする人と、マーケティングやコミュニケーションを担う人が同じテーブルに着く必要がある」と指摘した。
また調査は、効果検証だけに留まるものではなく、顧客を理解するために実施し、活用するためのものだという風に、調査に対しての認識を改める必要性があると話した。

パーセプション・フロー・モデル作りでは、顧客をセグメント化して分析する。中村氏はそのセグメントを「性別、年齢、職業といった属性で分けるのではなく、価値観で分けるケースの方が多い」と解説。本間氏は、フィギュアスケートの羽生結弦選手のファンが、菓子メーカーの商品の売り上げを伸ばしたエピソードを紹介し、従来型の属性でターゲットを分析するだけでは対応できないことに触れ、それによるマーケティングの変化にも言及した。

メディアとの接触が4マスなどに限られていた時代は、知覚的な刺激も同様に限られていた。しかし、インターネットやソーシャルメディアが普及した現在は、生活者との接点も増え、コミュニケーションでも選択肢は多くなる。

中村氏は「デジタル化によって、よりワントゥワンで刺激を与えられるようになりましたし、購入以降の接点も作ることができるようになった。カスタマージャーニーのあらゆる接点に知覚刺激を差し込めるようになった。これが今までとこれからの大きな違い」と話した。だからこそ顧客を知ることが重要だと指摘した。その顧客データをうまく活用するためにも、パーセプション・フロー・モデルのような共通認識を持つことは、企業活動に大きな影響を与える。

本間氏は、これまでのマーケティングでは属性によらないセグメントにおける顧客理解はできていなかったと話し、「今重要なのは、年齢、性別といった物理的なことよりも、ライフスタイルやなりたい自分がどんなものか、ジェンダーに対する自覚などの精神的なことまで考えて顧客を知ること」と指摘した。

デジタル化によって顧客接点が増え、顧客理解につながるツールも増えたことで「多様なお客さんの顧客理解をしなくてはいけない時代になった。今はきめ細かい顧客調査を精度高くできるようになっているので、調査とコミュニケーション、コミュニケーションと調査という流れを一気通貫で行なっていく必要がある」(本間氏)と話した。


これからの顧客との向き合い方を綴った、本間充さん著書『シングル&シンプル マーケティング』の詳細はこちら

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