変化の速いEC・小売り業界「身軽」でいることがカギとなる — TABIOの場合—

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【前編】「「欲しいものを欲しい時に購入できるインフラを」Shopifyが目指すもの」はこちら

〈「欲しいものを欲しい時に購入できるインフラを」Shopifyが目指すもの〉に続き、今回は「ショッピファイ」を導入するタビオの越境EC事情にせまります。

海外5カ国で商品販売
イギリス版ECサイト一新のワケとは

靴下の製造・販売のタビオ(大阪市)は、2002年3月にイギリス・ロンドンに海外1号店を出店して以来、フランス、アメリカ、中国、台湾でも展開を進める。

イギリスやフランスでは実店舗とECサイトを、アメリカではECサイトを、中国・台湾では代理商を通じて実店舗を運営している。中国ではECサイトはなく、台湾では代理商の自社サイトと「台湾楽天」で販売している。

タビオも「ショッピファイ」を利用する企業のひとつだ。日本版のECサイトのほか、アメリカ版(2017年10月にローンチ)とイギリス版(2018年11月リニューアル)のECサイトへ導入した。後者は以前、他社のプラットフォームを利用していたが、リニューアルを機に「ショッピファイ」へ乗り換えた。

タビオでイギリス市場を担当する同社の社長直轄プロジェクト米国事業開発責任者・竹澤一浩氏は、リニューアル前のECサイトが抱えていた課題について、こう語る。
「自部門でサイトや管理ツールを改修できなかったこと。次に多通貨決済の機能が不足していたことです」(竹澤氏)

以前は日本のECサイトの管理ツールを「間借り」してイギリス版を運用していたため、イギリスでは商品登録さえできない状態だったという。変更のつど、日本のEC担当部署へ依頼する必要があり、イギリスの顧客に合わせたサイト改修や商品提供をスピーディに行うことができなかった。

また決済代行会社も日本のECサイトに合わせる必要があったため、イギリスでの実績の少ない日本の決済代行会社を利用せざるを得ず、手数料が高い、注文商品の一部の商品のみのキャンセルができないなど、顧客にとっても、運営側にとっても利便性の悪い仕様だったという。

各国の顧客には、日本から商品を発送している。それぞれの国で倉庫を置いたり、人を雇ったりする費用と、売り上げが見合わないからだ。一方で、「靴下は小さくて軽いため、輸送費はそこまで高くはならない」と、竹澤氏は話す。購入金額にかかわらず、送料は無料。

「なにより、形がほぼ同じなので、誤配のリスクを懸念しました。いまはまだ立ち上げ期。せっかく獲得した顧客の信用を失いたくなかったため、日本からの各顧客へ配送しています。ECや小売を取り巻く環境は変化が速いので、時勢に合わせた最適なスタイルを選べるよう、なるべく身軽でいることが重要だと考えています」(竹澤氏)

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