去年の12月から(途中ドロップアウトしそうになりながら)通っていた編集ライター養成講座の卒業制作で、最優秀賞をいただいた。
本当に予想外で、4月からスタートした新たな大学での授業とかもろもろでかなりストレスフルな冴えない日々だったのが、完全に報われた瞬間だった。
発表後の最終講義では、うれしさが徐々にこみ上げてきて先生のお話を聴きながらこっそり泣いてしまったほど。
私は自分のスクールで英語を教えるかたわら大学で英語の授業を担当しているのだが、「前期だけ」とお願いされた短大の授業はこれまでのやり方が通用しないほどハードで、この数ヶ月は心が折れそうになっていた。
それに加えて、大学の専任公募で面接まで進んでいい感触だったところからあっさり落とされたこともあり、すべてのやる気を失っていた頃に卒業制作の締切があった。
その頃は体力的にも精神的にも、卒業制作に向き合うことがきつかった。
けれども、無理やりにでも「書く」ことに向き合うことで、授業を聞かない大学生とか、大量のややこしい書類提出とヘビーな模擬授業や面接をさせておきながら一枚の紙でさくっと不採用通知を送ってきた大学への行き場のない怒りを忘れることができた。
とにかく仕上げて提出する、という最低限の目標だけに向かって書き、なんとか提出した。
それだけでかなりの達成感があったし、思い通りに進まなかった日々も少し過去のことになり、提出後にすがすがしい気持ちでビールを開けたことを覚えている。
締切はつらかったけど、「書く」ことでこんなに癒されるんだ、と不思議な気持ちに包まれた。
悩むということは「やれ」というサイン
この半年は、土曜朝の英語レッスンが終ってから電車に飛び乗ってやっと西梅田の講義に間に合う、という分刻みのスケジュールで、正直「今日はもう行きたくないな」と講義をサボったことが何度かあった。課題もすべて提出できず、卒業制作も提出しなくてもいいか…くらいに思っていた。
というのも、まず「知人以外の人にインタビューのアポイントを取って取材をして、6,000文字の記事にする」という「知人以外の人にアポ」というのが嫌で嫌で仕方なかった。提出しない受講生もいるというし、実際に私の周りでも「出さない」と言ってる人もいて、じゃあ私も….みたいな気持ちになりかけていた。
実は初めて卒業制作についてのオリエンテーションがあったときに、ふと「あ、この人にインタビューしたいな」と思いついた人がいたのだが、すぐに「いやいや、人気のある方だしご多忙だしダメ元でも断られたらやっぱり悲しいし」と心の中で打ち消していた。
ただずっと気になっていたのだと思う。
令和になってGWも過ぎて、「卒業制作をやるならそろそろアポイントとって取材しないとまずい」というタイミングで、たまたま大学の授業が休講になってぽっかり時間が空いた。このときふと「断られてもいいからメールをしてみよう!」と思いついて、インタビューをしたいと思っていた翻訳家の村井理子さんに連絡をしてみた。
その日のうちに村井さんは丁寧な返信メールを送ってくれて、「スケジュール調整します」と快諾してくださった。ものすごく感激した。めちゃくちゃうれしかったのだが、「これでぜったいに仕上げなければならなくなってしまった….」と少しだけ気が重くなった。
「編集・ライター養成講座修了生が語る いまどきの若手編集者・ライターの生き方」バックナンバー
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