プロモーションの領域を再定義し、「新しい価値」を提供するために 『プロモーショナル・マーケティング ベーシック』(後編)

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「体験」の重要性が高まる現代のプロモーション

―これまでの話をまとめると、「RsEsPs(レップス)モデル」を使うことによって、現代の生活者に合った適切で自然なプロモーション・シナリオを描けるようになる、と言えるでしょうか。

保田:そうですね。たまにあるのは各フェーズに対応する施策を設計していながら、それぞれが単発で独立してしまっていること。それだと大きなプロモーション課題を解決するっていう事にはならないと思います。

例えば、認識してもらうための施策を設計する際にも、その後の体験、購買フェーズにどう導いていくか、を視野に入れる必要がある。さらには、それぞれのフェーズで生活者の自発的な「検索・共有・拡散」行動を誘発させるための施策を組み込むことも重要になる。

ですから「RsEsPs(レップス)モデル」を元に、認識から体験、そして最終的な購買までの一連の流れを、「検索・共有・拡散」行動を組み込みながらストーリーを描くように作っていくことが重要になってきます。そうすることで、個々の施策が有機的に相互に連携しながら機能してくるのです。

―「RsEsPs(レップス)モデル」に対する読者からの反応の一つに「やっぱり現代はこの体験フェーズがないと、購買まで持って行けないんだよね」というものがありました。これは、これからのマーケターにとって重要な視点になる気がします。

宮久:そうですね。まさに体験の重要性は、プロモーション・プランニングのポイントの一つになっています。「RsEsPs(レップス)モデル」の真ん中のExperience(体験)はAIDMAやAISASには無かった。今の時代に生活者を購買に向けて動かしていくための非常に重要なフェーズが体験なんですね。

保田耕一氏(読売広告社)

保田:現代ではやっぱり、この体験フェーズの目的である共感の醸成がすごく大事だと思うんですね。体験フェーズの施策としてイベントやポップアップストアを展開するのも、ブランドの体験価値を高めて、共感してもらうことが目的です。それができているかという事が、今の時代のプロモーションにとってとても重要になってくる。その点については、第1章だけでなくすべての章に共通しています。

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