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テーマは「FUSION(融合)」、13年目を迎えたTokyo Midtown DESIGN TOUCH

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東京ミッドタウンは、秋の恒例デザインイベント「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH」を、10月18日(金)から11月4日(月・振休)まで開催する。13回目となる今年の目玉は、今春開催のミラノデザインウィークの空間デザインで話題となった、クリエイティブ・ユニットSPREADによるダイナミックなインスタレーションだ。

左から東京ミッドタウンマネジメント 酒井恭佑氏、同 藤谷菜未氏、SPREAD 小林弘和氏、山田春奈氏。

13年間、変化し続けてきたデザインイベント

—「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH(以下、デザインタッチ)」について教えてください。

藤谷:東京ミッドタウンは、開業以来、「JAPAN VALUE」を世界に向けて発信することをコンセプトに掲げています。その要素のひとつである「CREATIVITY」を発信する場が、デザインタッチです。

酒井:デザインタッチは、「デザインを五感で楽しむ」をコンセプトに、東京ミッドタウンの開業時から開催しており、今年で13回目を迎えます。このコンセプトは開業当時から変わっていませんが、テーマは毎年、デザインを取り巻く社会情勢を鑑みて設定しています。ですから、歴代のテーマの変遷を見ていくと、デザインの定義に変化を感じることができます。

例えば、2016年のテーマ「ひろがるデザイン」は、プロダクトデザインやインスタレーションのようなデザインとアートの境界があいまいで、社会に対する新しい提案が登場してきた時代背景を表しています。クリエイターの方々とテーマに基づいてアイデアを考えるので、アウトプットも時代とともに変化していきます。

—デザインタッチが13年間続いているのは、時代に合わせて変化してきたからなのですね。今年のテーマ「FUSION(融合)」について、設定した狙いは何ですか。

藤谷:近年、デザインとアートの境界がなくなりはじめていると感じています。また、デザインに限らず、今はいろいろなものが飽和していて、一個人や一企業だけでは新しいものを生み出すことが難しくなったため、さまざまなコラボレーションが活発に行われるようになってきました。そうした社会情勢を考えると、デザインの世界もまた、人同士であったり、素材であったりと、クリエイターがいろいろなものと融合することで、デザインの新しい価値を提案できるのではないか。

そう考えてこのテーマを設定しました。今年はメインイベントとして「デザインの森」がミッドタウン・ガーデンに登場します。そこで、「見る」「遊ぶ」「創る」「考える」という4つの視点でデザインに触れていただけるイベントを行います。

色と景色が人を包み込む「六本木カラー渓谷」

—今年の目玉企画のひとつ「六本木カラー渓谷」をミラノデザインウィークの空間デザインや燕三条 工場の祭典で話題のクリエイティブ・ユニットSPREADさんが担当されるそうですね。どんな企画になるのでしょう。

酒井:SPREADさんの空間を変える力に期待して、私たちのオリエンでは「ミッドタウン・ガーデンをデザインの力でまったく違う景色に変えてください」とお伝えしました。

【SPREADの主な仕事】

ミラノデザインウィーク2019
空間装飾テープブランド「HARU stuck-on design;」によるインスタレーション

「燕三条 工場の祭典」

小林:僕らは普段から「場所」の記憶を探り、その場所とコラボレーションしながらつくっていくという手法をとっています。ミッドタウン・ガーデンは、なじみの場所でもあるのですが、今回改めて観察してみました。すると、デートをしているカップルがいたり、お弁当を食べている人がいたり、家族連れがいたり、休憩しているビジネスマンがいたり、実に多様な人たちが心地よさそうに過ごしています。いろいろな人の動きがあるし、ガーデンには噴水や小さな川もある。

そこから、「動く」とか「流れる」というイメージが浮かびました。ちょうどお話をいただいた季節が秋で、紅葉の季節でした。その「流れる」というイメージに色鮮やかな落ち葉の光景を重ね合わせた時に、「色の渓谷」というキーワードが出てきました。

山田:色は、私たちの周りに常にたくさんありますが、みんな無意識にしか見ていないと思うんです。ミッドタウン・ガーデンを訪れる人たちは、ガーデンというリラックスできる雰囲気の中で、考えごとをしたり、リフレッシュしたりしていますが、そういうガーデンの雰囲気を特に意識しているわけではありません。みなさん、漠然と風景を眺めているのだろうなと思ったのです。

そこで今回、ガーデンの雰囲気を色に変換して、「六本木カラー渓谷」として表現しようと考えました。

「六本木カラー渓谷」イメージ

小林:具体的には、幅2.5メートル、全長約1キロメートルの、色とりどりのメッシュ素材のファブリックでガーデンを覆い、山頂から森、さらに緑の芝生へと続く、気流が流れるようなデザインを施します。透け感のある素材を使うことで、布地の向こうに本来のガーデンの景色が垣間見えて、渓谷の風景と融合します。

ガーデンを通る人たちに、色に包まれる感覚を体験していただく場をつくりたいと思ってデザインしました。

山田:カラー渓谷を通る方々に、色や場所が持つエナジーを感じていただければ嬉しいです。

—そのほか、今年の見どころを教えてください。

藤谷:「デザインの森」では、「六本木カラー渓谷」のほかにも、グッドデザイン賞受賞の遊具を設置した「デザインのひろば」を開設します。また、「六本木未来会議」のアイデア実現プロジェクト「森の学校」の特別開講や、慶應義塾大学教授でアーティストの脇田玲氏によるインスタレーションを実施します。屋外の彫刻で表現するのは、脇田氏にとって初めての試みとなります。

酒井:屋内では、「ミラノ・サローネの賑わいを六本木に!」をキーワードに展開している「Salone in Roppongi」を実施します。今回は「物事の形にもサステナブルという概念があるのではないか」という提案をします。

企業出展の一部をご紹介すると、スイスの高級時計ブランド「オーデマ ピゲ」の世界巡回展「時計以上の何か」の、30メートル×45メートルの巨大パビリオンが芝生広場に登場します。

そのほか、2019年度のグッドデザイン賞を発表する「TOKYO MIDTOWN AWARD 2019」や、「GOOD DESIGN EXHIBITION 2019」の受賞作品の発表と展示なども同時開催します。

—六本木カラー渓谷をはじめ、デザインタッチには見どころがたくさんありますね。

藤谷:そうですね。10月3日からオフィシャルサイトですべてのコンテンツがチェックできますので、気になったものがあれば、ぜひ東京ミッドタウンに体感しにきてください。

SPREAD(クリエイティブ・ユニット)

小林弘和と山田春奈によるクリエイティブ・ユニット。環境・生物・物・時間・歴史・色・文字、あらゆる記憶を取り入れ「SPREAD=広げる」クリエイティブを行う。プロジェクトに深く関わりながら、「カラーとコンセプト」を特徴にグラフィック、プロダクト、エキシビションなどのデザイン&ディレクションを行う。常に社会提案を心がけている。おもな仕事に「国立新美術館開館10周年」記念ビジュアル、ジャパン・ハウス ロンドン「Biology of Metal」展、工場見学イベント「燕三条 工場の祭典」など。生活の記録をストライプ模様で表す「Life Stripe」を2004年より発表し、国内外にて個展を開催。おもな受賞歴に、Red Dot Design Award、iF design Award、グッドデザイン賞、日本パッケージデザイン大賞ほか多数。

 

小林弘和

1976年新潟県生まれ。長岡造形大学産業デザイン学科卒業。広告代理店を経た後、2003年よりフリーランスとして活動。2004年“SPREAD”設立。

 

山田春奈

1976年東京都生まれ。長岡造形大学環境デザイン学科卒業。上山良子ランドスケープデザイン研究所などを経た後、2004年“SPREAD”設立。

 


 

「Tokyo Midtown DESIGN TOUCH 2019」

開催日時:2019年10月18日(金)~11月4日(月・振休)
場所:東京ミッドタウン

● 主なイベント <デザインの森>

【見る】

「六本木カラー渓谷」
80mにわたる色鮮やかな渓谷が出現

【遊ぶ】

「デザインのひろば」
著名デザイナーによるカラフルなデザイン遊具が登場

【創る】

「森の学校」
六本木未来会議が開催する青空教室

【考える】

「Moment」
風の形を可視化して「一瞬」を表現したインスタレーション

● 企業出展 <時計以上の何か>

芝生広場では、スイスの高級時計ブランド「オーデマ ピゲ」のパビリオンが登場!

 

イベント詳細はこちら:東京ミッドタウンホームページ