TCC新会長・新副会長 谷山雅計×福里真一×箭内道彦が語る「これからのコピー、これからの広告」

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去る2019年6月28日に行われた「東京コピーライターズクラブ(TCC)」2019年度総会。今年はTCCに久しぶりに新しい会長が誕生。12年つとめた仲畑貴志さんから谷山雅計さんへとバトンタッチされました。それを記念して、谷山新会長とふたりの新しい副会長も登場してトークイベントが開催されました。それも、ただ3人が話すのではなく、各界の著名人から「質問動画」をいただき、それに応える形式です。これからのコピーとは?広告とは?TCCとは?次々と襲い掛かる鋭い質問に対する3人の答えは。

【登壇者】写真左から
司会:佐倉康彦、TCC副会長:箭内道彦、TCC会長:谷山雅計、TCC副会長:福里真一

佐倉康彦(以下、佐倉):きょう、いろいろとTCCともゆかりのある方も含めて、幾つかの質問動画が来てるんですね。

その質問に対して、この3人にしゃべってもらおうかなと思ってます。箭内副会長は、きょう問題発言をしまくって、きょうで辞めるって言ってるので。

箭内道彦(以下、箭内):辞めるっていうか、辞めろって言われると思います、多分。

佐倉:最初に動画を見ていただいて僕が適当に皆さんに振ります。適当じゃない、的確に振りますんで。では、さっそく始めたいと思います。

コピーライターに質問 その1【電通/VTuber:菅野薫さん】

※菅野さんは、VTuberとしてご自分で作成したCGキャラクターに合わせて話しています。

菅野:東京コピーライターズクラブの皆さま、初めまして。電通に勤めております、菅野薫です。谷山さん会長就任、福里さん、箭内さん副会長就任おめでとうございます。僕はTCC会員じゃないので、どういう仕事をされてるのか全く想像つかないですが、大変そうですね。お疲れさまです。僕はTCCに自分から応募したこともないですし、これまであんまり縁がなかったんですけれども、こんな形で声を掛けていただいて本当にうれしいです。ありがとうございます。

(途中で声と動きを確認)

では、僕から質問です。このところ、広告の制作の仕事をしていると、CMとかグラフィックとかの仕事と同じくらいデジタルメディアだったりとか、ソーシャルメディアに関係する仕事もありますし、さらに言うと、テクノロジーを使ったような仕事だったりとか、ライブイベントの仕事だったりとか、さまざまな仕事があります。

そうやって広告クリエーティブの仕事の幅や可能性が広がってるってことは、すごく素晴らしいなと思う一方で、広告のプロとして必要とされる技術の幅っていうのもすごく広がっていってる気がして、難しい時代だなということも感じてます。

テクノロジーによってメディアが進化すると、そこでやりとりされる言葉も違うなというふうな実感もあって。

例えば、技術的に言うとほぼ同じ構造のものなんですけれども、電子メールだったらお手紙の作法がまだ残ってて、「谷山さま、お世話になっております。ご確認どうぞよろしくお願いします。署名。」みたいな感じになりますし。携帯のショートメッセージでは絵文字が入ってきて、わちゃわちゃして大騒ぎになりますし、FacebookのMessengerだとこんな感じになりますし(画面に表示)、LINEだとスタンプで、もう余計なあいさつ抜きで会話し始めちゃったりもしますし。僕みたいなVtuberは、顔とかしゃべり方が全然かみ合ってなかったりとかってことまで起こります。

(話している間に、キャラが色々と変わる)

こうやってどんどん新しいメディアが発明されて、日々コミュニケーションに使うプラットフォームがどんどん日々更新されていくっていう時代に、メディアに載せる言葉の専門家の集団であるTCCの皆さまは、言葉の技術をどう評価して、どう育てていこうと思ってるのか知りたいです。よろしくお願いします。菅野薫でした。


 

佐倉:意外と。重たいテーマなんですけれども。まずこれやっぱり新会長の谷山さんかな。

谷山雅計(以下、谷山):質問に答える前に言いますと、要は今の若い制作者はコピーライターになるよりも、菅野くんになりたいんだと思うんですよ。TCCの新人賞の応募が最近すこし減ってきてますっていう話があって、第1の原因は彼かもしれませんね。でも、すごい人です。この前、秋山晶さんと話して、ちょっと菅野君の話になったら「彼は世界的な才能だね」って、盛り上がってました。でも質問に関しては重かったですね。

佐倉:プラットフォームがすごい変わるじゃないですか。

谷山:いろいろあるじゃないですか。ただ思ったのは、言葉をどう育てていくかっていう質問がすごく気になって。ていうのは、言葉をどう育てていくかなんて、これまで一度も考えたことなかったなって思ったんですよ。

ていうのはね、そうじゃないですか。要するに僕らの仕事って、基本的には商品をどう育てていくかとか、ブランドをどう育てていくかっていうこと考えて、そのときに言葉っていうのを道具として使ってるから。言葉が目的化してんじゃなくて、言葉はやっぱり手段としてずっと考えてたから、言葉を育てていくっていう気持ちじゃなかったな。もちろん人を育てるような気持ちはそれなりにあると思うんですけど。だから……

福里真一(以下、福里):言葉をどう育てるかというよりも、言葉の技術をどう育てるか、という質問のようですけどね。

佐倉:あとはその手前にある、言葉の技術をどう評価するんすか、新会長。ていうところが意外とポイントかな。

谷山:どう評価は、だって広告だから1つの評価方法なんかないわけであって、こういうやり口もあるよね、こういうやり口もあるよねっていうとこの、結局のところそういう多様性をどれだけ考えて提示してるか、だから。

福里:結局、道具としての言葉がどう有効に使われているかを、その都度評価していくしかないわけですよね。最近ではTCCも、SHARPのTwitterの中の人とかを新人賞に選んだりしてましたよね。

佐倉:次は僕も大好きな映画監督の西川美和さんです。

次ページ 「コピーライターに質問 その2【映画監督/作家:西川美和さん】」へ続く

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