『ガラスの仮面』に学ぶマーケターのヒント⑤「完成イメージを固めてから取り掛かる」篇

【前回コラム】「『ガラスの仮面』に学ぶマーケターのヒント④「発言の裏の本心を探る」篇」はこちら

デザイナーに依頼する前に完成イメージ、“見えて”いますか?

小説でも漫画でも好きな作品というのは、読み返す度に新しい発見や感動がありますよね。年末に大掃除をしながら『ガラスの仮面』を読み直していたところ、これは!?という発見があったので、今回はそれをご紹介しようと思います。

私はマーケティングやコミュニケーション・デザインという業界に入ったのは今から約20年前。制作会社のアシスタント・ディレクターとして仕事をスタートさせました。とある会社のWebサイト全体の担当ディレクターとして初めてひとりで設計書を描き、デザイナーさんにデザインを依頼しにいった時のこと。そのサイトの目的やコンセプト、設計意図などをひとしきり説明した時に、そのベテランデザイナーさんにこう言われたのです。

「絵、見えてる?」

さらに「あなたの説明を聞いても完成イメージが全く伝わって来ないから、あなたがどんなものをつくりたいのかが分からない」。「ディレクターなら完成イメージを伝えてほしい。デザイナーが勝手にイメージしてデザインしてもいいけれど、仕上がってから思っていたのと違うとか言わないでよ」と言われました。

絵=デザイン、だから絵を見るのはデザイナーさんの役割と思っていた当時の私にとっては驚きでした。しかし、その後ディレクターとして働くようになり、デザイナー、エンジニアなどに指示を出したり、クライアントと会話したりする経験をしていく中で、“絵を見る”ということの重要性を実感し、20年経った今でも私はこの言葉を大切にしています。ディレクションはもちろん、提案書・企画書をつくるのにも、まず“絵を見る”。つまりは完成イメージを固めてから取り掛かるということを心がけて仕事をしています。

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渡瀬 薫(ライオン コミュニケーションデザイン部)
渡瀬 薫(ライオン コミュニケーションデザイン部)

#ライオン #コミュニケーションデザイン部 #ファブリック担当 #クリエイティブ・ディレクター #元IMJ #元四季 #ダンサー #ライオンキング #ミラノ・スカラ座勤務 #東大卒

渡瀬 薫(ライオン コミュニケーションデザイン部)

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