コラム

「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット

第7回 第6章 「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット

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【前回】「第6回 第5章 「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」ディレクターズカット」はこちら

恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』の著者、小霜和也氏が本書では収録しきれなかった内容をお届けするコラム。本書と合わせてお楽しみください。

「恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。」
著:小霜和也
発行:宣伝会議
詳細・購入はこちらからご覧ください(宣伝会議オンラインはこちら)(Amazonはこちら

こんにちは、小霜です。

今週も本書への質問が届いていますので、その回答から始めたいと思います。

Q.「第6章」の見出し、「テクノロジー変わるマーケティング思想変えるビジネスモデル変える」となってますが、「テクノロジー変わるビジネスモデル変えるマーケティング思想変える」の順が正しいのではないでしょうか。

A.おっしゃる通りです。容赦なく進化するテクノロジーによって、ビジネスモデルも変化を求められ、マーケティングの考え方もそこへ対応して変化を余儀なくされる、ということなので。ただですね、最近のCM編集現場では、時系列を無視したカット順にするやり方がごく一部で流行ってまして、これを「中哲カット」と呼んでいます。手前にあるべきカットが後ろにあると、登場人物の心象風景のような、象徴カットのような見え方をさせることができます。使用例:「監督さあ、このカットもう中哲にしちゃう?」「あーそれアリかもしれませんねー」。このように、時系列を無視することでその要素に異なる印象を与えることが…ええいごまかしきれない!

第6章では、テクノロジーの進化とそれに伴い余儀なくされるビジネスモデルの変化によって、第1章で述べたマーケティングの基本的な考え方が変化して来ている状況を解説しています。

削除した箇所は、

P.257
日本でカスタマーサクセス企業の代表と言えばメルカリでしょうね。僕はヤフオクをよく利用するのですが、たまーに、「ちっ」てことあるんですよ。中古のコミック全巻買ったら、1ページだけ破けてた、とか。そういうトラブルは当人同士で解決してくれ、というのがヤフオクの姿勢。ところがメルカリは自分がトラブルを引き受けるという姿勢で顧客からは「神対応」と言われてます。顧客の要求を聴き、改善したらそれを伝えるまでの流れをプログロム化し、配送も「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」「匿名配送」などの手間のかからない配送と受取システムを各配送業、流通業とネゴして作り上げました。PtoP(Person to Person)オークションサービスにおける顧客の成功は、「いかに高価で売れるか」「いかに安価で買えるか」であると思われていたが、実はそうではなかったのではあるまいか。メルカリは「いかにトラブルなく簡易に取引できるか」だと考え、そこにコミットしようと決めたのでしょう。また、これは7章で説明する若者層の価値観の変化にも通じますが、高値で競うのではなく捨てるのはもったいないというカルチャーに乗っている部分も大きいと思います。コミック全巻のうち1ページ破れていたら、ヤフオクなら高値売りするためにダマで出品するところ、メルカリなら「1ページ破れてるけどいい?」と言っても「いいよ!」になりやすいってことです。
確かにまだ赤字企業ではあるのですが、サブスクリプション型(リテンションモデルとも言う)企業の成長曲線は、マイナスから始まって時間をかけてプラス化し続けるのが特徴です。Slackなどはその好例で、高いマージン率とアップセル率で赤字から始まりもう黒字転換は目の前(個人的にSlackのキャラクターにはなぜか時々イラッと来るのですが…そのヒトコトいらんから!みたいな)。そのあたりを知っている投資家がメルカリの企業価値を支えているのではないか、と推測しています。また、赤字の要因は海外とメルペイへの過剰投資が大きく、本業の業績は伸び続けています。ここはIT系ではない消費財メーカーなどオフライン系の企業にも見習うべきものが多々あるように感じます。QR決済でも最後に生き残るのはこの思想を受け継いでいるメルペイかもしれません。

実は僕の妻にはメルカリ不評なんですよね…。「手数料が高すぎる」と言って。こないだも「手数料上がった!また上げた!」と騒いでました。調べると上げた事実はないのでそう伝えたのだけど「いーや上げた!絶対上げた!」と一歩も引かないので怖くなって削除しました。

P.266
僕のアイデアとしてはTシャツこそサブスクに向いているのでは?Tシャツっていろんなメッセージとかアートとかを楽しむ「着る看板」みたいなものだから、毎日違うものに変えられる方が楽しいと思うんですよね。しかも1枚の製造原価なんて超安いし。ユニクロとかそういうことやればいいのに。儲かったらマージンくださいよ!

思いつきで書いたのだけど、そんな簡単にはいかないよなと思えて来て削除しました。

P.272
昨今はビジネスモデルを因数分解し、俯瞰して捉えるためのメソッドとしてビジネスモデルキャンバスというものが登場しています。顧客セグメント(CS)、顧客との関係(CR)、チャネル(CH)、提供価値(VP)、キーアクティビティ(KA)、キーリソース(KR)、キーパートナー(KP)、コスト構造(CS)、収入の流れ(RS)という9つに分解してそれぞれをチェックしようということです。

これは自分で使ったことがないのであまり突っ込まれても困るなと思い削除しました。

P.274
ただ、それでもニュースソースとしてポータルサイトを利用している人はまだまだ多いです。やや話が逸れますが広告屋としてはもったいないなあと。広告のネット配信となったときに、「YouTube、SNS、アドネットワーク」が一般化しているのを、「YouTube、SNS、ポータル、アドネットワーク」にすることで広告メディア価値を高めればいいと思うのですが。最近は検索ワードのビッグデータの商品開発の元として企業に販売するビジネスも始めたとのことですが、はたしてどうなるでしょうか。

これはYahoo!の広告メディア価値についてですね。

以前電通デジタルと一緒にYahoo!の仕事してたとき、電通デジタルが主体となってクライアント筋に上のような営業展開をしたらいいんじゃないか、という話をしてました。ところがなぜかその僕がYahoo!からクビにされてですね(プレゼン内容が上に通しにくいとかその程度の理由。Yahoo!に限らず、広告主のトップと仕事しないとそんなことばかり)、それを思い出したら腹立ってきたので削除しました。

次回は「第7章」です!

小霜和也氏×電通デジタル川上 宗一社長 トークイベント開催決定!

『恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』の刊行を記念し、著者の小霜和也さんと、電通デジタル代表取締役社長に就任された川上宗一社長の対談を行います。

経営者目線で今必要とされるマーケティングの全体像を俯瞰した本書ですが、広告会社の方にとっては、「クライアントが読む前に、読んでおかないとマズい1冊」でもあります!

経営者のマーケティングに対する意識の変化に応じて、
今の時代におけるエージェンシーの役割はどうなっていくのか?
エージェンシーがどのように経営者と対峙していけばいいのか?
などについて、語り合うこの対談。

広告会社の皆様、貴重な機会をお見逃しなく。

開催概要

※定員に達したため、申込を締め切りました。

日時:
2020年2月14日(金) 19:00~21:00(15分前に開場)
 
会場:
ガーデンシティ渋谷 ホールB
東京都渋谷区渋谷2-22-3 渋谷東口ビル(渋谷駅より徒歩3分)
 
参加条件:
『恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。』をご持参いただいた方。
当日販売もしております。
Kindle版ご利用の方は、受付にて画面をお見せください。
 
定員:
80名
 
申込み方法:
こちらよりお申込みください。
・席数に限りがあるため、事前のご予約をお勧めします。
・定員になり次第、受付締切となります。


恐れながら社長マーケティングの本当の話をします。

<目次>

はじめに


第一章 社長、まずはマーケティング部をなくしましょう
・マーケティング=価値の創造
・マーケティングの4P
・総力戦の時代
・マーケティング部を宣伝部に戻す
・貯めるべきもの3つ「直感力、共有知見、データ」
・忖度のない体質がマーケティング体質


第二章 「名物宣伝部長」はどこいった
・管轄外の責任を負わされる宣伝部長
・広告業界の構造的問題
・宣伝部とエージェンシーの深まる溝
・CMOに「4P」全部預けられるのか?
・社長と部長はパートナー


第三章 御社は「ミドル・ファネル」作れますか?
・ミドル・ファネルから作る
・外してならないファネルだけが外れてる
・トップ、ミドルのクリエイティブを寸断させない
・社長は「トータルCPA」を見る
・部門「間」がますます重要に


第四章 やっぱし事件は現場で起きている
・制作現場の実状
・戦略、メディア設計、クリエイティブの順に
・現場の忖度で得体の知れないものができあがる
・社長が「おかしい」と感じたら、何か起きている


第五章 「Vision」の本当の話をします
・時代変動の中で自分は何者か再点検
・Visionを間違うと正しいマーケティングはできない
・Visionの話(つづき)
・Values
・オレのCI


第六章 テクノロジー変わるマーケティング思想変えるビジネスモデル変える
・新たなマーケティング思想、カスタマーサクセス
・競合より顧客の動向を見て成功する
・広告という神話
・顧客を手放さないサブスクリプション
・商品は優れていても、ビジネスモデルで負けていないか
・テクノロジーが新しいビジネスモデルを閃かせる


第七章 不買運動が起きてます!
・SDGsはイケてる
・誰かを変えるCSR、自分を変えるCSV
・ESG投資で変わる企業の戦い方
・Belief Driven
・次世代の動き
・SDGsはこれからの参加資格
・IRで商品Promotionの土壌をつくる


第八章 社長、さっき言いかけたことですが


おわりに

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