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通天閣が菓子メーカー支援 ECで大阪各地のお土産を販売

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通天閣を運営する通天閣観光(大阪市)は2020年3月13日、通天閣の地下にあるアンテナショップ「通天閣わくわくランド」で、賞味期限間近のお土産用のお菓子を半額で販売するセールを始めた。観光客が激減した影響で在庫を抱える菓子メーカーを支援するための企画だ。

SNSでの呼びかけで完売

同社代表取締役社長の高井隆光氏によると、大阪府内の観光地では2020年2月ごろから新型コロナウイルスの影響が顕著になった。外国人観光客の減少がみられたほか、3月25日に東京都から外出自粛要請が出たころからには休業も相次いでいた。

そんな中、観光地の売店向けにお土産用の菓子を卸していた菓子メーカーは、販路が絶たれて在庫を抱えるしかない状態となっていた。

菓子メーカーの苦悩を知った高井社長は「何か支援できることはないか」と考え、セールを企画。平時は店頭イベントなどを実施する特設スペースが空いていたため、そこを活用した。集客にはTwitterを利用。第1弾の販売開始を投稿すると、1万8000件のリツイートがあり、3日で完売した。

ただ、大阪府でも新型コロナの感染者数が増え続けたことで、来店者数は減少。そのため、4月3日にはECサイトを立ち上げた。

ECではお菓子を15点ほど詰め合わせた「賞味期限間近お土産セット」(1万円相当)を5000円(税込)で販売。5月11日時点で、3000セット以上を売り上げている。

実は、同社は通販事業の経験がほぼない。高井氏は「開始当初は資材もなく、空いた段ボールを再利用して配送するなど工夫していました」と振り返る。慣れないピッキング作業などに時間がかかっていたが、回数を重ねるごとに効率も上がった。

ECの利用客からは「少しでも支援になれば」という声や、お礼の手紙も届いているという。ただ、すでに生産してしまった菓子の在庫はまだまだある。7月や8月に賞味期限が迫るお土産も多く、「危機感も感じているが、今できることを精一杯やっていきたい」と高井氏。利益を度外視した取り組みのため、1日でも早い新型コロナの終息と、観光地の活性化を願っている。

変化に対応した取り組み

通天閣では、ライトアップによる地域貢献にも取り組む。まず4月27日からは、ネオン広告を掲出する日立製作所とともに、医療従事者へ感謝の意を表すためのブルーライトアップを行った。

また5月11日からは、大阪府が定めた「休業や外出自粛の要請解除に向けた独自基準」の達成状況を示す、赤・黄・緑の3色でのライトアップに協力した。

高井氏は「これらの取り組みに限らず、新型コロナによる世の中の激変についていく必要がある」と話す。今後も「良いと思ったことにはすぐに取り組む」という方針で、支援を継続していく。