褒めるときは、木を見て森も見る。

本コラムが書籍化されました!

【2022年6月20日発売】
『わたしの言葉から世界はよくなる コピーライター式ホメ出しの技術』

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この連載をはじめてから、

先輩や後輩から、

僕自身が褒められることが増えた気がします。

ひょっとして…読んでくれてますか…?

もし読んでいただいているなら、

この場を借りてお礼を言いたいです。

ありがとうございます!(←直接言え)

さて、今回も大切な話です。

褒めるときに

観察

が足りないと、

つい雑褒め(ざつぼめ)しちゃうときがあります。

しかし逆にいうと、

正しく丁寧な観察さえすれば、

解像度の高いホメ出しをすることができます。

実はそこには:

1 「森を見る」ホメ出し
2 「木を見る」ホメ出し

の2パターンがあります。

「森を見る」ホメ出しとは、

その人の大きな方向性や特徴、

揺るぎないスタイルなどを褒めること。

「木を見る」ホメ出しは、

その人の細かな特徴、

あるいはニッチな面を、

因数分解して、言語化して、

なるべく具体的に、

できれば多く褒める。

そして、実は

森を見るホメ出しとは、
木を見るホメ出しの積み重ねの先に
見つかったりします。

高浜虚子さんの「俳句への道」という本に、

「客観写生」

という手法が紹介されています。

主観を消して淡々と観察することの

意義を語られているのですが、

これは木を見るホメ出しにおいて

大切な心構えです。

そこに「我」が入ることで、

観察の精度が落ちることがあります。

とにかく目の前の相手の魅力を

見たまま、感じたままに、

ストレートに拾い上げていく。

自分の存在を消すから、

出現する相手の「美」がある。

20代のときに、あるCMを納品した日。

先輩と祝杯をあげたのですが、

「澤田くんが良かった点が3つある。

映像素材を丁寧に見たことと、

ベストな音楽を探し当てたことと、

最後のコピーを入れるタイミングを指摘したこと。

本当にありがとう」

と言われ、びっくりしたんです。

何故なら先輩が指摘した3点とは、

正に自分としては、

力を入れ、妥協しなかったポイントだったからです。

「細かいところまで、見ていてくれたんだ!」

という驚き。そしてなにより、

「色々指摘して先輩に失礼かな」

とちょっと思っていた矢先だったので、

先輩が自分のプライドとかはさておき、

ピュアに僕の頑張りを認めてくれたのが嬉しかった。

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澤田智洋(コピーライター/世界ゆるスポーツ協会代表)
澤田智洋(コピーライター/世界ゆるスポーツ協会代表)

1981年生まれ。幼少期をパリ、シカゴ、ロンドンで過ごした後17歳の時に帰国。2004年広告会社入社。映画「ダークナイト・ライジング」の『伝説が、壮絶に、終わる。』や、アミューズメントメディア総合学院の「あなたが生まれなければ、この世に生まれなかったものがある。」等のコピーを手掛ける。2015年に誰もが楽しめる新しいスポーツを開発する「世界ゆるスポーツ協会」を設立。 これまで80以上の新しいスポーツを開発し、10万人以上が体験。海外からも注目を集めている。 その他、UNITED ARROWS LTD.と取り組んでいる、一人を起点に新しいファッションを開発する「041 FASHION」、オリィ研究所と共同開発している視覚障がい者アテンドロボット「NIN_NIN」など、福祉領域におけるビジネスを多数プロデュースしている。

澤田智洋(コピーライター/世界ゆるスポーツ協会代表)

1981年生まれ。幼少期をパリ、シカゴ、ロンドンで過ごした後17歳の時に帰国。2004年広告会社入社。映画「ダークナイト・ライジング」の『伝説が、壮絶に、終わる。』や、アミューズメントメディア総合学院の「あなたが生まれなければ、この世に生まれなかったものがある。」等のコピーを手掛ける。2015年に誰もが楽しめる新しいスポーツを開発する「世界ゆるスポーツ協会」を設立。 これまで80以上の新しいスポーツを開発し、10万人以上が体験。海外からも注目を集めている。 その他、UNITED ARROWS LTD.と取り組んでいる、一人を起点に新しいファッションを開発する「041 FASHION」、オリィ研究所と共同開発している視覚障がい者アテンドロボット「NIN_NIN」など、福祉領域におけるビジネスを多数プロデュースしている。

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