「ダメ出し」から「ホメ出し」へ コピーライター思考の実践
澤田智洋(コピーライター/世界ゆるスポーツ協会代表)
1981年生まれ。幼少期をパリ、シカゴ、ロンドンで過ごした後17歳の時に帰国。2004年広告会社入社。映画「ダークナイト・ライジング」の『伝説が、壮絶に、終わる。』や、アミューズメントメディア総合学院の「あなたが生まれなければ、この世に生まれなかったものがある。」等のコピーを手掛ける。2015年に誰もが楽しめる新しいスポーツを開発する「世界ゆるスポーツ協会」を設立。 これまで80以上の新しいスポーツを開発し、10万人以上が体験。海外からも注目を集めている。 その他、UNITED ARROWS LTD.と取り組んでいる、一人を起点に新しいファッションを開発する「041 FASHION」、オリィ研究所と共同開発している視覚障がい者アテンドロボット「NIN_NIN」など、福祉領域におけるビジネスを多数プロデュースしている。
このコラムについて
SNSを見ていると人の「ダメ出し」が目につきます。特に、このコロナ禍でダメ出しは加速し、社会は窮屈になるばかり。それを打開するヒントは、実はコピーライターならではの思考法にあると著者は考えます。コピーの仕事とは、徹底的に相手の魅力を観察し、発見し、言葉にすること。「ダメ出し」とは真逆の「ホメ出し」思考です。目の前にいる大切な人に行えば、記憶に残る言葉のプレゼントになり、圧倒的にいい人間関係が生まれます。時には相手の人生を大きく前進させる力となります。この連載では、コピーライターの思考をどう人に応用するのか、その実践例を紹介。読んだ人全員が、もれなく「褒メサピエンス」に進化することを目指します。
本コラムが書籍化されました!
2022年6月20日発売『わたしの言葉から世界はよくなる コピーライター式ホメ出しの技術』
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あなたが褒めると、世界はよくなる。
ダメ出しから、ホメ出しへ3ヶ月にわたってお送りしてきましたが、最終回となりました。何故この連載をはじめたか?それは、コピーライターの思考法をもとに、褒めについて語った例がなかったからです。
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競合との比較、そして遠回りな近道。
この連載も、残すところあと2回となりました。そして、「褒めの表現」については今回で最後となります。寂しい。(ぼくだけ)
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心の声だだもれ、あるいは新足し算。
この連載も10回目です。だれかを褒めることについて考えたり研究すること自体が自分にポジティブな作用をもたらすんだなと、再確認するこの頃です。
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褒め言葉は、表現が1割。
いよいよ表現の話です。見返してみると、三回ぐらい前から、「次は表現の話です」「次こそは」と何回も予告していたので、ツギツギ詐欺をしてしまっていたわけです。
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褒めるときは、木を見て森も見る。
さて、今回も大切な話です。褒めるときに観察が足りないと、つい雑褒め(ざつぼめ)しちゃうときがあります。しかし逆にいうと、正しく丁寧な観察さえすれば、解像度の高いホメ出しをすることができます。
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褒め殺すのではなく、褒め生かす。
褒め殺しがいちばん怖い。村上春樹さんが何かのインタビューでそう仰っていましたが、1000%同意です。え、この連載って、人にホメ出しする内容じゃないの?と思われたかもしれませんが、ただ褒めればいいという...
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リーダーシップのある、褒め言葉を贈る。
佐藤雅彦さんをご存知でしょうか? 実は社会人三年目のときに佐藤先生のもとで一年だけ修行する機会を得たのですが、このときの経験がその後のぼくの人生を変えました。
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魅力の、第一発見者になる。
虫か星の、第一発見者になりたい。小学三年生のときに、そんなことを思っていました。よく考えたら虫が苦手で目も悪いので早々に諦めたのですが、今ぼくはコピーライターとしてその夢を叶えようとしています。
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発見とは、「ハッ」。ハッとしたら相手を褒めよう。
「あ、ミュートになってます」気付いたら、今日は3回口にしていました。オンライン生活にシフトして早半年。新しい生活様式が、知らず知らずのうちに身についています。
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今日から、「観察魔」になろう。
コピーライターは、「観察魔」なんです。コピーを書くときに商品や企業をつぶさに観察します。それはもう、完膚なきまでに観察します。