評価されるPR施策には、アイデアからストラテジーまで一貫したストーリーがある

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PRのプロなら、エントリーシートも魅力的に書けるはず

古田:皆さんの意見を聞くと、僕はストラテジーとアイデアの部分しか見ていなかったな、とか「なるほど!」と思うことがある。発想は面白いけれど、エグゼキューションができていないなど、審査の場で他の方に言われて気づくことは多かったですね。

松本:私も他の審査員の方のご意見を伺うと、自分が推していたものが実はまだまだ足りないものだったかなと思うこともありましたが、でもやはり私は、PRは楽しいものと思っているので、自分の中では、こんなものもあってもいいと思う作品、現場で生まれた時の熱のようなものが伝わってくる作品がありました。確かに、すべてがパーフェクトにいっていないかもしれないけれど、そういう点で推したい事例が、きっと出てくるのではないかと思っているんです。

昨年は、審査員長が示してくださった審査の指針に立ち返りながら、その方向性、つまり未来の話とか拡張性を評価できるようにと心がけました。ただ、自分が審査員10人のうちの一人であることには意味があるはずなので、そこは自分なりの視点で、どうしてもこれはここがいいと思うところは注目するようにしていましたね。

古田:今年の世相は明るいものではない。だからこそ、人を勇気付ける、前向きになれるものや、単純に楽しいもの──たとえば、昨年シルバーを受賞したすみだ水族館と京都水族館の「ペンギン相関図」のような、人をくすっと笑わせるようなものをぜひ、見たいと思っているんです。

2020年版の京都水族館「ペンギン相関図」。

松本:エントリーシートの書き方も審査段階で毎回話題になりますが、最低限、やろうとしていたことから結果までをきちんと伝えることができるエントリーシートであってほしいですね。せっかくいい成果がでているはずの事例でも、エントリーシートの言葉が魅力に欠けていたケースもあったように思います。PRのプロであれば、エントリーシートで魅力的なPRができなければ、という思いもあります。きちんと記入することで、次の仕事の時の提案にもきっと役立つはずです。

古田:読むだけで面白いエントリーシートもありますね。そこに物語があって、アイデアやストラテジーから結果まで、一連の美しいストーリーが流れていて、読んでいて心地よいものがありました。ただし、PRのプロの目はストーリーの美しさだけではごまかせないですね。僕は騙されそうですが。

ジャーナリスト/メディアコラボ代表
古田大輔(ふるた・だいすけ)氏

朝日新聞記者を経て、BuzzFeed Japan創刊編集長に就任。3年で国内有数のネットメディアに。2019年に独立してメディアコラボを設立し、ジャーナリスト/メディアコンサルタントとして活動。

 

サニーサイドアップ 取締役CBO
松本理永(まつもと・りえ)氏

サニーサイドアップグループ創業メンバー。以来一貫してPRを中心としたコミュニケーション全般のプロジェクトを担当、主幹事業であるPR事業を牽引しつつ、現在は、主要クライアント案件においてのプロジェクト統括及びCBOとして自社のブランディングも担う。2015年~2019年文教大学非常勤講師、2020年から公益社団法人日本パブリックリレーションズ協会理事。

 

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