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コラム

嶋野・尾上の『これからの知られ方(仮)』

第3回 世界初のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」(後編)

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直観を裏打ちする、潜在意識下における計算

嶋野:逆に、直観で初めは選んだけど、あとで考えて、やめたこととかってありますか?
 
小林隆英:自分のパターンで言うと、それはないです。(たしかに、)本当に自分の直感が合ってるのか、どうなのかなって、わからなかった時期がちょっとあったんですよね。で、直観でいいなと思ったものを検証したら、やっぱり全部良くて。直感でイマイチだなって思ったものは、ロジカルで考えるといいんですけど、最終的に振り返ってみると良くなかったっていうのがあるので。
 
尾上:直感を磨くためには、何が大事だと思いますか?
 
小林隆英:心ってどんどん鈍くなっていくので、油断していると。ワクワクしたりとか、嫌だなって思ったもの、ワクワクしたものは絶対にやるし、嫌だなって思うものは絶対にやらないって決めていて。

 

尾上:おじいさまのつくり方とかを見たときに、これだって思ったのは直感なわけですよね。そのお話をみんなに伝えていくことが、結構大事だなと僕なんかは広告的には思うんですけども。そういうところも意識して書かれたりしている?
 
小林隆英:そうですね、やっぱりどういう書き方をしたら一番伝わるんだろうなっていうのは考えていますね。

ただでも、クラフトコーラをつくろうと思ったときに、めちゃくちゃワクワクしたんですよね。っていうことはたぶん、潜在意識で全部計算していて。もうワクワクしたものをやったっていう時点で勝ちみたいなところはあるのかなって思いますね。その時点でもう答えが出ているものなので、頭の中で。自分では気づいていなくても。

 

尾上:この直観というのは、ふつうの広告作業だとなかなか使いづらい言葉ですよね。

嶋野:まあそうですね。

尾上:プレゼンで、「直観でコレです」って言っても、「そうですか」ってなっちゃうところを。やっぱり個人ブランドだからできること?

嶋野:そうでもあると思うんですが、前半の話とか見てると、こっちからすると直観じゃないんですよね。死ぬほど自分の中で検証して見つけているゴールなので、「好きなものの苦労は誰も苦労と思わない」と言うか、好きなものをやっている人は無敵みたいなところがあって。(小林さんの「直観」は)そのままの直観で受け取るんじゃなくて、好きなものをどんどんどんどん突き詰めていくと、自然と選び方も備わっていく、ということなのかな、とは思ったりしましたが、どうですか。

尾上:相当好きなものという話もそうですし、いろんな計算を常にしているとかもそうですし、真剣さですよね。一番最初に小林さんが言っていたのは、めちゃくちゃ愛している、商品を。愛が深ければ深いほど真剣に行動しますし、真剣にみんなに伝えようとするし。というと、これが直観というものの精度を上げていくんじゃないかなとは思いますね。

やっぱり長く、あることについて真剣に考えていると、その直観というのは、すごいところに到達するんだろうなと、聞いていて思ったりしました。

嶋野:直観というのはつまり、経験則から得た、確率が高い方法ということな気がしますけどね。思いつきの直観というよりは。

そんな中で、自分でブランドを作られたからこそですね。逆に飽きちゃうこともあると思って聞いてみたんですが、彼にはすごい大きい目標があって、だからこそやっていけるという。続いてはそちらのほうをお願いします。

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