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コラム

嶋野・尾上の『これからの知られ方(仮)』

第3回 世界初のクラフトコーラ専門メーカー「伊良コーラ」(後編)

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とにかく行動してみるのも大事なこと

嶋野:初めての取材って、何年ぐらい前だったんですか。
 
小林隆英: 一番最初の取材は、『POPEYE』に手紙を書いたんですよ。で、デスクの人が、届いたやつを、(オフィスに)よくある、お菓子とかに置いてあるテーブルとかに置き忘れちゃったみたいで。そうしたら、たまたま担当の方が、お茶休憩のときに「なんだこれ」って見たら、「伊良コーラ」の手紙で。ちょうどクラフト特集だったので、「ああじゃあ、ちょうどいいじゃん」ってなって載ったっていうのがまずありますね。
 
小林隆英:で、それ『POPEYE』さんに出してもらった(マガジンハウス『POPEYE』2018年12月号, p.40)ので、『TABILABO』さんが連絡くれて。『サラメシ』も『POPEYE』を見た方が連絡くれて、そこからちょっと広がっていったという感じですね。
 
嶋野:うまいこと行き過ぎて、逆に(笑)。どう、真似しようがないのかな、これは。
 
尾上:でもわりとあれですよね、何を自分のテーマとして見つけるかの部分が相当大事っていうことですよね。それがうまくいけば自ずと。まあ相当行動力があられる。
 
小林隆英:そこはポイントかもしれないですね。できることは何でもやるというか。

 

嶋野:これとかもなんか、本当に奇跡みたいな話に見えると思うんですけど。メディアの人からしても、おそらく、かなり研ぎ澄まされて、ほかにはないポジションをちゃんと培ってきたところだから興味を持たれたんじゃないかな、と思うんですよね。どうですかね。

尾上:そうですね。中途半端な状態だったりとか、あんまりそこに新しさを感じられなかったりとか(すると)、いいなというふうに見えなかったんじゃないかと思うんですけど。だからこう、自分の目指しているところが明確で、そこ研ぎ澄ましているから(手紙が)効果的だったというのは、ほんとそのとおりだなと思います。

嶋野:聞かないもんね。お手紙からきれいに知られて、そこからどんどん広がって。

尾上:やっぱりストーリーも面白いですし、実際商品もいいですし、みんなに伝えたくなるものになっていますよね。伝えた側も得をするというか、伝えてくれてありがとうってなるくらいすばらしいものになっている。そういうことも、どんどんいろんなところに広まっていったり、いろんなメディアに取り上げられることにつながってるんじゃないか、と思いますね。——はい。という感じで今回、後編では、最初に、みんながYouTuber化していっているという話をしました。嶋野さんはなんのYouTuberになりたいんでしたっけ。

嶋野:煽るね~。

おじいさんの「伊良葯工」の看板も残っています

尾上:はい(笑)それはさておき、みんながYouTuber化していく中で、ワクワクするものをやっていくのが大事で、結果的に課題解決になっているという話ですね。おもしろかった。ブランディングもかわいいラベルだったりとか、きれいにできていますが、それも、最初から固めすぎず、走りながら固めていくのが大事なんじゃないか。

そこでじゃあどうやって決めるの、というときに直感力が大事で。直感力を高めるには、ちゃんと商品への愛を持ったりとか、真剣に考えたりしていくことで、どんどん高まっていってブレないようになっていくんじゃないかな、という話もありました。

ワクワクするというのもどんどん変わっていくので、それはそのとき、そのときに合わせていくことで新鮮な驚きがあって面白いですよ、という話ですね。将来的には「『コカ・ペプシ・イヨシ』になりたい」というビジョンを持つことで、(さらに)自分がよりワクワクできるようになっていく。ビジョンも大事ですね。

プロモーショナルなことをしているのかという話に関しては、コーラの木を持って来られるとよいと。商品に近いところで、商品のコアがどんどんおもしろく、魅力的に見えるようなことをやっていく。それが広まっていく原理になるんだろうということです。

とはいえ、ちょっと手紙を出してみる、これは相当ラッキーなケースかもしれませんが、何か行動してみることで開けることもあります。というのが今回後編で話した内容でした。

前編後編にわたって伊良コーラ小林さんのお話について、僕らが思うこともいろいろ話してきたんですが、どうですか。嶋野さん。

嶋野:本当に面白いと思ったのが、私、大学の専攻がブランディングだったんですね。シャネルの事例や、日本だとソニー、パナソニックの創業者が何を考えていたかといったことを学んだんですけど、やっぱり僕らから見たら雲の上の存在であり、一世代上の方の成功談のようなところがあったんです。だけど、伊良コーラの小林さんにインタビューをしたときに、本当にブランド初期というのはこういう状況で、こういう人がつくっていくんじゃないかと、期待というか、ワクワクするものがありました。しかも本当にビジョンを明確に、「コカ・ペプシ・イヨシ」と、世界規模のブランドにする意思も感じられて、個人的に、このブランドの本当にファンになりましたね。

尾上:まさに。僕も同じくファンになりました。これからがすごい楽しみです。お話を伺って思ったのが、ブランドの話でありながら、個人の話でもあり、いろいろな人の生き方の話にもつながる部分が大きいのではないか、ということです。前回の話で言えば、好きなこと、得意なこと、求められること、自分のリソースの配分が最適になったときが幸せ、という話は、流動的な時代において、とても大事なことじゃないですか。自分という人間のブランドを考えてみるということのきっかけにもある種、なるのかなと思ったりもしましたね。

すっかり暗くなったあとも、今後の構想について話が尽きませんでした

尾上:と、もうなんか、いろいろと話してまいりましたが。

嶋野:はい。

尾上:この連載はここで終わりというわけではなく、これからも継続的にいろいろな人の話を聞いたり、また、嶋野さんによる勉強のコーナーというか。

嶋野:そうですね。

尾上:ああいうものも挟んだりしつつ。

嶋野:僕が受けた研修を発表する場をつくってもいいと思います。

尾上:「今週の研修」みたいなコーナーとかいいんじゃないですか。

嶋野:はっはっはっは(笑)やりましょうか。

尾上:やってください、ぜひ。

嶋野:尾上さんの研修を受けに行って、まとめますかね。

尾上:それはやめてください。

嶋野:ということでですね、今回、伊良コーラへの取材を踏まえて、第3回「これからの知られ方」でした。

なにか最後、ありますか。メッセージ。サウンドロゴとかお便りとか。

尾上:サウンドロゴ……そうですね、サウンドロゴは大変だと思いますんで、じゃあお便りのほうをいただけると、うれしいなと。

嶋野:お便り読んでみたいですよね。

尾上:そうなんです!そうなんです!お願いします。夢を叶えてください。

嶋野:尾上さん、後輩いっぱいいるじゃないですか。

尾上:後輩は、僕らが年次を重ねれば増えていくシステムですから。

嶋野:ぜひ尾上さんの後輩がいろいろ忖度して(笑)

尾上:いや、そういうことじゃなく、後輩のみなさんのほうが立派なんで僕より。むしろ先輩が送ってくれないかなと思いますね。もしくは同期とか。全然関係ないですよ、会社なんて関係なく、もっと広く、「伊良コーラを飲んでおいしいと思ったんです」という声とかですね、という話でもいいですし、「こんなブランドやっていて、おもしろいですよ」とか、そういう話もいいですよね。もしかしたら僕ら取材に行くかもしれません。

嶋野:たしかにそれは欲しいですよね。

尾上:ちょっと欲しいですよね、そういった情報ほかも。

嶋野:情報待ってます。よろしくお願いしまーす。

いろいろ試しながら収録しています

(写真=尾上永晃)