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サントリー×TimeTree、コ・マーケティングで30代夫婦の心を掴む

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マス型広告ではリーチできない層にアプローチ

このような、異業種との協同キャンペーンを実施した背景について、サントリービール マーケティング本部 宣伝部の八須俊幸氏は、「メディア接触が多様になっている昨今、従来のマス型の広告コミュニケーションだけではどうしてもリーチできない方たちがいる。そのような方々にも、ブランドメッセージに共感し、自分ごと化してもらえるような施策を行いたいと考えました」と語る。

八須氏によると、これまでにサントリーで行った新たな顧客を獲得するための手段は、主にコアなファンを抱えるコンテンツとのコラボだった。例えば、人気番組やアニメとタイアップした「サントリージムビーム presents #バチェラー応援上映」企画や、「クレヨンしんちゃん×クラフトボス」Web限定オリジナル動画の公開など。

今回のコ・マーケティングは、両ブランドの根底に流れている「日常を少し良くしたい」という方向性が一致したからこそ実現した。八須氏は「ロイヤルカスタマーが多いTimeTreeさんとご一緒することで、プレモルを自然な形で受け止め、共感いただける機会がつくれるのではと、新たな可能性を感じました」と振り返る。

「ザ・プレミアム・モルツ」は、2021年からの新たなリブランディング施策を展開している。コロナ禍でリモートワークが普及しメリハリがつけづらくなっている中、ハレの日などの限られたシーンでしか飲まないビールではなく、『日常の中で少しいい時間を作るときのお供として寄り添えるビール』としてのコミュニケーションに力を入れている。

一方、TimeTreeも、「明日をちょっと よくするために」というブランドプロミスを掲げている。TimeTree マーケティング責任者の吉本安寿氏は「TimeTreeの『明日をちょっと良くする』の延長線上に、プレモルの『夫婦でのごほうび時間』という文脈がシームレスにつながっている企画になっている」と語る。

大企業×スタートアップで化学変化も

クリエイティブディレクターを務めたのは電通zeroの見市沖氏。見市氏は「本企画は、よくあるメディアタイアップではなく、両社が費用負担し両社が主体となって一緒にコミュニケーションをしたことがポイントです。プレモルというブランドとTimeTreeは、根っこにある考え方も近いので、ユーザーに自然に受け入れられるコミュニケーションがつくれるのではと考えました」と語る。

「ごほうび時間はじめました」というメインコピーも、「ザ・プレミアム・モルツ」ですでに使用されている「ごほうび」や「最高の時間」と、TimeTreeの「タイムツリーはじめました」というキーワードを合体させたものだ。

見市氏はまた、「サントリーさんのような大手企業と、TimeTreeさんのような数年で急成長し、質の高いユーザーを多く抱えるスタートアップ企業をつなぐことにも挑戦したかった。一緒にマーケティング活動をすることで化学変化が起き、今までにないものが生まれるきっかけになるのではとも考えていました」と語る。

ムービーについて、見市氏は「感動的なストーリーの中で、プレモルとTimeTreeをうまく紹介しようとしても、あまりいいコンテンツにはなりません。『プレモルとTimeTreeが、世の中のご夫婦の方々に寄り添い、何かできることがないかと考えました』と、お客さまの方向にベクトルを向けた映像にしようという思いで制作しました」と振り返る。

両社とも今後のさらなる展開に期待を寄せる。八須氏は「ユーザーにうまく受け入れていただける素地が見つかれば、今回のTimeTreeさんとの取り組みをより発展させていくことはもちろん、『日常にあるちょっといい時間に寄り添う』というコンセプトで共鳴できる企業・サービスさんと一緒に展開していく可能性も模索し続けたいです」と展望を述べた。

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