桜美林大学准教授/マーケティング・コンサルタント
西山 守
商品、映画、広告キャンペーンなど、さまざまな領域で生まれるヒット。その背景には、SNSや多種多様なメディアから情報が拡がり、話題が伝搬していくことでブーム化していく、近年はそんな現象が見られるようになっています。こうした話題になった事例を分析、そのしくみを解説した書籍『話題を生み出す「しくみ」のつくり方』の著者である西山守さんが、最近話題になった事象について読み解きます。
大学生が「最も興味を持った広告」とは?
4月から大学教員になりましたが、1か月を過ぎても、学生とのジェネレーションギャップに驚かされる日々を送っています。「自分が大学時代こうだったから、いまの大学生もこうだろう」という連想はほとんど通用せず、本当に「時代が変わったんだ」ということを痛感させられ続けています。
初回の授業で、受講者に対して「最近興味持った広告と、その理由を教えてください」という課題を出したのですが、YouTubeやInstagramから接した広告を挙げている人が思いのほか多く、しかもその大半は私が見たこともない広告でした。あるいは、私の知らないインフルエンサーが商品を紹介している動画やSNSの投稿を挙げた方も少なからずいました(これらは定義上は「広告」ではないのですが、出題時には、「こうしたものも広義の広告として含めてもよい」と提示していました)。
私が彼らと同年代だった頃は、たとえ自分とは縁のない商品、全く興味のない商品でも、テレビや新聞、屋外広告等を通じて広告に接して、その存在や、商品の特徴は知っていたものでした。しかしいまは、全くそうはいきません。そんな状況は着任前から予想はしていたのですが、彼ら(学生)と私との間にある壁は、予想以上に高く、厚かったのです。
ところが、一番多くの学生が「興味を持った広告」として挙げていたものは、意外にもちょうど私自身も興味を抱き、かなり気になっていたものだったのです。
その広告とは、大塚製薬のポカリスエットの新CM「でも君が見えた」篇です。
ポカリスエットCM|「でも君が見えた」篇(60秒)
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