15時間目:「なぜ生徒たちがあんなに手を挙げるか教えましょうか?」伝説の教師クマGの教え

【前回コラム】「14時間目:洗車で空手を教える。教科書を破らせる。他 ~ フィクションの中の伝説の授業」はこちら

イラスト:萩原ゆか

先生をはじめとした教育業界の方々の前でお話しさせてもらう時に、講演のタイトルを書いたスライドよりも、さらに先にお見せする1枚がある。これである。

そして、こう言って始める。

「今日は教育のプロに向かって、門外漢の僕が、教育について話す、釈迦に説法の会です。教育界の外からのヒントが1つでもあれば幸いです。では、釈迦のみなさんよろしくお願いします。」

もちろん自分がこれから話すことに対するハードルを下げるためではあるが、もう1つの目的は、先生たちへのリスペクトの伝達である。「教育のプロ」と言った時、先生方の背筋が伸びるのがわかる。プロ。日々の仕事の中で、そう言われることがあまりないと、その後聞いた。だから、このスライドを使い続けて、先生方にプロプロと連呼している。

もう1枚、その後の説明のどこかで必ず出すスライドはこれ。

昨今の教育は今までにも増して、汎用的な教育、社会に出てから役に立つ教育を目指している。だから、教育業界は異業種へ講演を依頼し、社会で起こっていることを知ろうとする。2035年には世の中がどうなると言われているか。新しい発想法。AIでどう変わるか。異業種と組むコツ。etc.

各界のプロを呼んで情報をゲットする「ビジネス界→教育界」の流れは、こんなふうに自然と起こっている。もちろんもっと起こっても良いとは思うけれど。

しかし、思う。逆の流れが少ない。つまり「教育界→ビジネス界」。

ビジネス界が悩んでいることは千差万別たくさんあると思うが、人材育成、ファシリテーション、組織のマネージ、この辺りは永遠のテーマ、かつ、昨今特に欲しいスキルじゃないだろうか。

そうそう!と思う方。これ、教育のプロ=先生が持ってます。

そしてその知恵が、仕事で活かせることは、僕が数々実験済み。周りにも話していて、すぐ実行した同僚はコンペに勝ち、そのアイデアをうまく実現させ、クライアントにもとても感謝された、らしい。

次のページ
1 2 3 4 5 6
倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)
倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。

倉成英俊 (Creative Project Base 代表取締役/ アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所所長)

2000年電通入社、クリエーティブ局配属後、多数の広告を制作。2005年に電通のCSR活動「広告小学校」設立に関わった頃から教育に携わり、数々の学校で講師を務めながら好奇心と発想力を育む「変な宿題」を構想する。2014年、電通社員の“B面”を生かしたオルタナティブアプローチを行う社内組織「電通Bチーム」を設立。2015年に教育事業として「アクティブラーニングこんなのどうだろう研究所」を10人の社員と開始。以後、独自プログラムで100以上の授業や企業研修を実施。2020年「変な宿題」がグッドデザイン賞、肥前の藩校を復活させた「弘道館2」がキッズデザイン賞を受賞。

この記事の感想を
教えて下さい。
この記事の感想を教えて下さい。

このコラムを読んだ方におススメのコラム

    タイアップ