コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

フランスの小売から見えたヒント ——「非計画購買」を拡大させる視点

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2:専門店が集う活気ある商店街と非接触会計

まず、個人的に一番利用するのは専門店。日本だと「八百屋さん」「お肉屋さん」と呼ばれるお店です。生活に必要な青果、精肉、鮮魚はもちろん、フランスの三大名物であるパン、ワイン、チーズの専門店も頻繁に街で見かけます。

大きな通りでは、それらの専門店がかたまって存在していることも多く、立ち並ぶ商店の間を買い物客が行き交う様は、まさにフランス版の商店街。路上まで大きくせり出した陳列に目を引かれ、果物や惣菜を多めに買ってしまうこともしばしばです。野菜も肉も基本的に量り売りのため、個包装なく無造作に積まれている様子が、よけいにおいしそうに見えるのかもしれません。

見た目も楽しい専門店の商品、自動レジの非接触支払い画面

フランスの買い物で最初に驚いたのは、その会計方法。カード社会であることは知っていましたが、「カード払い」と聞いてイメージするクレジット払いではなく、「カルト・ブルー」と呼ばれるデビッドカード払いが主流です。

中には使用下限額を設ける店もありますが、パン屋さんなら1ユーロのバゲットでもカード払いで買うことがきます。さらに「サンコンタクト(非接触)」支払いなら、カードを機械にかざすだけ。カード払いにつきもののピンコード入力やサインする手間もかからず、キャッシュレス化が進むのも納得です。

ちなみに、この「サンコンタクト」が広まった背景にはコロナ禍も関わっているそう。コロナが猛威をふるいはじめた頃、他者との接触を避けるため、非接触支払いの設定額が増えて日常使いがしやすくなったという話を聞きました。

ただし、スムーズに会計ができても、レジ列がなかなか進まないのがフランスのお決まり。支払いを終えた後、ゆっくりとマイバックに商品を詰めるお客さんもいれば、店員の方と軽く会話をしていく常連さんもいるからです。

会話までせずとも、フランスでは店員の方へ挨拶するのが買い物の基本。「ボンジュール」からはじめ、帰り際には「メルシー、オーヴォワ(ありがとう、さようなら)」と言って去るのがマナーです。 

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