コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

フランスの小売から見えたヒント ——「非計画購買」を拡大させる視点

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4:揺れ動くEC業界、モノプリ・アマゾンVSカルフール・グーグル

2018年、フランスのEC業界は2つの大きなニュースで揺れました。ひとつは、モノプリとアマゾンの提携、もうひとつは、カルフールとグーグルの提携です。

モノプリは、アマゾンと組むことで、プライムナウ会員を対象に商品を届けるサービスを開始しました。アマゾン・フランスのサイトでは、本やインテリアなどの各項目と並んで、モノプリもカテゴリーの一つになっており、60ユーロ以上の買い物をすれば無料で配達してもらえます。ネットスーパーを強化したいモノプリと、ヨーロッパに進出したいアマゾン。それぞれの利害が一致したぴったりの組み合わせといえるでしょう。

アマゾンと組んだモノプリ(上)、グーグルと組んだカルフール(下)各WEBサイトより引用

一方、カルフールとグーグルの関係はさらに親密。グーグルとして世界初となる生鮮食品の販売に挑戦するだけでなく、データを活用し売り場に応用する「カルフール・グーグルラボ」を共同で立ち上げました。

昨年6月にはグーグルアシスタントを使った新サービスも開始。スマホやスマートスピーカーに「OK Google、買い物がしたい」と呼びかけると、カルフールのECサイトで欲しい商品を見つけたり、購買履歴から好きそうな商品をオススメされます。最終的にECサイトで購入した商品は、店舗で受け取るか宅配かを選べます。

このように近年、フランスでは各スーパーがEC部門を強化し、ネットでの売上拡大を目指しています。しかし、コロナ禍のロックダウンを経ても、正直、自分の周辺ではネットスーパーの利用者を見たことがありません。その理由として、フランス人の知人は「野菜や肉を画面だけで選ぶなんて考えられない。本や電化製品ならECでもいいけど、食べるものはやっぱり自分の目で色や香りを確かめなきゃ」と言っていました。

個人的にも、飲料やトイレットペーパーなどの既製品を買う分には大いに需要がありそうですが、生鮮食品の購入まで一般化するのはまだまだハードルが高そうだと感じます。

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