コラム

世界の小売から。 オランダ在住クリエイティブディレクターと仲間たちが見つけた、小売の現場の消費トレンド

フランスの小売から見えたヒント ——「非計画購買」を拡大させる視点

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6:フランスのエスプリはマルシェ(市場)にあり

フランスの伝統と文化の象徴であるマルシェ(市場)。パリだけでも80か所前後あり、週末の午前中に街を歩けば必ずといっていいほど遭遇します。大抵は食料品を取り扱っていますが、古本や骨董品、花などの専門に特化したマルシェも存在し、地元の人々の暮らしを支えています。

私自身は買い物をするより散歩して楽しむだけなのですが、生粋のパリジェンヌであるご婦人に話を聞いたところ、彼女は毎週日曜、マルシェで買い物をしているそう。理由はやはり、お店のものに比べて商品が新鮮だから。特に果物や魚の鮮度が抜群で、旬のものが真っ先に手に入り、なにを買うべきか迷っても市場の人のアドバイスを聞けば間違いないといいます。

週末、エッフェル塔近くのマルシェ。人気店には長蛇の列ができる

さらに重要なのは、マルシェが社交の場であること。マルシェに集まったご近所さん達と情報交換をしたり、一緒にカフェを飲んだりして過ごすことも大切なのだと教えてくれました。

話好きなご近所さん達の間では、質の悪い商品の噂がすぐに広まるので、良いお店だけがマルシェに残るのだそうです。実際、マルシェを歩いてみると、同じ商品を扱っていても人気店とそうではない店の差は歴然、品質への妥協を許さない人々の気合いを感じます。

彼女の話を聞いていて、買い物の「場」が、売る側と買う側だけでなく、お客さん同士や地域のコミュニケーションの中心になり得るという気づきを与えられました。

次ページ 「7:買い物をしよう、街へ出よう」へ続く

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