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一人ひとりの多様性や個性に寄り添う 倫理的なデータ活用で価値を創出する

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「ITの力で、社会に鮮やかな彩りを。」を掲げ、デジタル技術により企業のマーケティング活動をサポートしているTIS。DX推進が加速する中、企業におけるデータの利活用は、今後どのような変化を遂げるのか。同社DXビジネスユニットの岡部耕一郎氏と塩野星氏に聞いた。

データ利活用の3ステップ 信頼の醸成が推進を加速させる

パーソナルデータの活用はこの先、進む一方だと思います。なぜなら消費者行動がオフラインからオンラインへとシフトしていくなかで、より多くのデータを収集・分析することが可能になるからです。

それでは日本企業が今後データ利活用に習熟していく上で、どのようなステップを経ればよいのでしょうか。そこには3つのステップがあると考えています。

ひとつ目が、同意を正しく取得した上でデータを収集し、管理すること。2つ目が取得したデータを利活用し、生活者の利便性や付加価値につなげること。そして、3つ目が第三者への提供です。

3つ目の第三者提供はかなりハードルが高く、ビジネスモデルを十分に検討し、中長期的な計画を立てた上で時間をかけて実施していかなければならないものです。そのため、企業にとって直近の課題は、ひとつ目と2つ目で、クッキー規制によるサードパーティーデータの制限なども考慮すると、エンドユーザーから直接同意を取得したデータの利活用により、いかに付加価値をつくるのか。企業はこれからそこに注力する必要があると思います。

データを預けてもらった生活者に価値を還元するために、企業に必要な意識とは。それはパーソナルデータが持つ一つひとつの多様性や個性を前向きにとらえられるような価値を創出する倫理観です。データを提供した結果、一人ひとりの多様性や個性に寄り添うのではなく、むしろコンプレックスを抱かせるような活用にならないよう、注意が必要です。

このような倫理観を持ち、データを活用していく企業が、生活者からも信頼されやすく、それによって集まるデータの量も今後増えていくのではないかと思います。

また、信頼という点では、やはりデータを取得する際、取得するデータの種類と活用法、第三者への提供有無などを明確にし、生活者にとってのベネフィットを伝えることが大切だと考えています。

ポイントは、「都度同意を取得する」かつ「不快に思われないUI/UXを心がける」ということ。

一度の同意ですべてのデータ取得の許諾を取ろうとするのではなく、「このデータはOK、このデータはNG」というように、選べることも必要。それをわかりやすく、不快にならない見せ方で実施する。非常に難しいことだとは思いますが、これが実現できれば、企業と生活者がよい関係でつながりながら、データの利活用を推進できるのではないでしょうか。

このようなデータ利活用の実現により生活者から信頼され、提供できる付加価値が大きくなることで、次のフェーズであるデータの第三者提供につながるのではないかと思います。

TIS
DXビジネスユニット
DX営業企画ユニット
DX企画部
デジタルマーケティング
サービス推進室
室長兼フェロー
岡部耕一郎氏

 

TIS
DXビジネスユニット
デジタルマーケティングユニット
デジタルマーケティングサービス
第1部 部長
塩野星氏