「BtoBマーケを社内で受け入れてもらうには」奮闘の活用事例 ――セールスフォース・ドットコム Pardotユーザー限定イベントレポート

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セールスフォース・ドットコムは9月9日、同社のイベントであるConnections to Youの開催に合わせ、マーケティングオートメーション「Salesforce Pardot」利用企業向けのカンファレンスイベント「Pardot Trailblazer Party」を実施した。同イベントでは、「Pardot」最新機能を紹介したほか、優れた活用事例を表彰する「Pardot活用甲子園」の決勝戦を開催。ゲストの伊沢拓司氏による講演もおこなった。

開封率が最も高くなる時間にメールを自動送信

「Salesforce Pardot」利用企業向けの限定イベント「Pardot Trailblazer Party」は、「Pardot」の新機能紹介でスタートした。「Einstein送信時間最適化」の機能では、同社が提供するAI(人工知能)「Einstein」の技術によって、受信者がメールを開く可能性が最も高い時間帯に自動送信するというもの。業種・業態によって活動時間が異なったり、時差のある海外に向けての配信など、リストを分けずに対応できる。メール受信者の過去90日間のオンライン上での行動やメールの開封状況などに基づいて、予め日時の範囲の中からAIが最適な時間を割り出すという。

 
また、今後オンライン会議ツールの「Zoom」や、Salesforceが買収完了を発表しているコラボレーションツール「Slack」などとの連携を従来よりスムーズにする構想もある。「Zoom」を用いて開催したセミナーへの出席有無でメールを出し分けたり、顧客のアクションに応じて営業メンバーに「Slack」でメッセージを送ったりといったことが自動化できるようになる。リモートワークの浸透などで、業務用のクラウドサービスが増える中、外部のツールを起点としたマーケティング関連業務の利便性を高める狙いがある。

顧客に送信するメールを直感的な操作でデザインできる「メールテンプレートビルダー」の仕組みを、「ランディングページ」にも広げる。ランディングページは一般的に、見込み客などが最初にアクセスする〈入り口〉となるWebページで、次のステップへつなげる必要十分な情報を見栄え良く掲載できるかがカギとなる。プログラミングなどは不要で、動画コンテンツを貼り付けられるなど、見込み客の属性・状態別に用意する上でかかる負担を減らすメリットがある。用途別にデザインされたひな型をダウンロードできるようにする計画もある。

「Pardot」で成果を収める 三者三様の活用事例

「Pardot Trailblazer Party」の第2幕は、予選を勝ち抜いた3社による「Pardot活用甲子園」優秀事例の発表だ。事前に利用者から募集した事例を「効果創出」「チャレンジ」「再現性」の3点で審査し、紹介する企画。「Pardot Trailblazer Party」では、3事例に絞り、本戦が行われた。

1事例目は、日本企業の海外市場への進出を支援するプルーヴ。「Pardot」の導入で、商談数の増加や、粗利・利益利率の大幅な向上といった成果を収めたという。

もともと、「社内でのノウハウの蓄積や、能力の高いセールスパーソンに依存しがちな点に課題があった」と語るのは、プルーヴで事業開発部門に所属し、自社内のDX推進、インサイドセールス、海外デジタルマーケティングサービスの責任者を務める野口慎平氏。

導入前の課題として、幅広い業界・国・マーケットにおける様々な経営課題を解決するために商談前の情報収集をより深める必要があること、長ければ数年単位で顧客との関係性を築かなくてはならないこと、ノウハウ蓄積が困難で人材の育成が難しいことなどがあった。そこで、営業管理システム「Sales Cloud」とも相性がよく、商談管理を軸としたマーケティング活動を実現できる「Pardot」の導入を決めた。

「Pardot」を通じて、自社ビジネスとの相性や見込み度合いの高さを業種・業態、部署や役職をもとに判断し、どれくらいの確度があるかを数値化した上で、担当者を振り分けた。さらに、どんなWebコンテンツを閲覧しているかも精緻に分析することで、興味関心にあわせたコンテンツの提供を行った。

さらにはセールスパーソンへの情報の伝達にも工夫をこらしている。「例えばお客さまで、面談申込ページに遷移したものの、申し込まずに離脱していた、であるとか、1分前にメールを開いているといった情報を営業担当者がリアルタイムに把握できるようにすることで、関心の高い見込み客を離脱したままにしない、あるいは提案書をご覧いただいてすぐのタイミングでお電話する、といった細かく気配りの利く営業担当のような動きを、できるだけ全員ができるようにしました」(野口氏)

こうして冒頭の成果を収めた結果、自社で蓄積したノウハウを活かしマーケティング支援自体も顧客に提供するといった業務の広がりも出てきている。

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