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広告信頼度調査2021 世界的に成功する広告の特徴は「実生活」と「ユーモア」

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ニールセン(NYSE:NLSN)は12月15日、グローバルで実施した消費者の広告や情報に対する信頼度調査「ニールセン 広告信頼度調査2021(Nielsen Trust in Advertising Study 2021)」を元に、その分析結果を発表した。

「ニールセン 広告信頼度調査2021(Nielsen Trust In Advertising Study 2021)」は、日本を含む世界56カ国で実施されたグローバル調査。広告に対する消費者の意識に焦点を当て、さまざまな階層の人々を対象に行われた。

本調査における分析結果の注目すべきポイントは、以下の通り。

「ユーモア」「実生活」のシチュエーションが共感を呼ぶ

多くの国で広告において重要視されているのは、現実の生活を描いたものや、健康をテーマにしたものだということが分析で明らかになった。これらはアクションやスポーツ、子供、自動車、競争、センチメンタルな内容、またアスリートや著名人を起用したものよりも、消費者の共感を得ることもわかっている。

ニールセンのメディアアナリティクスリードのキャシー・ヒーリー氏は、この分析結果について、「笑うことは人間にとって、非常に基本的なものであり、それはエネルギーを与え、日常に活気を与える力を持っている。また、社会的なつながりや絆を深める手段でもあり、健康増進にもつながるという研究結果もあることから、最も共感を得られるコンテンツタイプとして、ユーモアや実生活のシチュエーションが筆頭に挙げられるのは驚くことではない。人間であることの本質に触れる広告は、他の広告に勝り、消費者をロイヤルカスタマーへと導くカスタマージャーニーにつながるだろう」と述べている。

消費者から最も信頼されている情報は“知人からの推奨”

調査の結果、88%の消費者が「友だちや家族からの推奨」を最も信頼していることがわかった。この結果は、オンラインバナーや動画広告、モバイルやタブレット端末での広告、SMS広告、検索エンジン広告などのランキング下位のチャネルと比較すると、50%高くなっているという。インフルエンサーであっても、友人や家族からの推奨ほどの高い信頼は得られず、71%の人が「完全に信用している」または「ある程度信用している」、という程度の結果になった。

ヒーリー氏は、「世界中のどの地域でも、友だちや家族からの個人的な推奨が最も信頼されていた。このような、人間的なチャネルと有料の広告との間には、明確なギャップがあるようだ。継続的な広告がブランドの存在感を維持することはわかっているが、友だちや家族が感じる『個人的なブランド体験』こそが、製品の販売におけるより強力な原動力となる。ブランドプロミスとブランド体験が相乗的に組み合わされば、大幅な売上向上につながると考えている」と見解を話している。

広告で示すのは製品そのものではなく、ミッションと価値観

先述の通り、今回の調査では「友だちや家族からの推奨」以外の広告は、消費者からの信頼が比較的低いことがわかった。なかでも、タバコブランドの広告は最も信頼度が低く、食品の広告は全体的に高い信頼度を示しているという。ニールセンのインサイトでは、消費者は確固たるブランド価値を示すブランドを信頼するようになってきているとの見方もある。

ニールセンは今回の結果について、「広告の背後にある企業の価値観とその永続的な倫理観が、広告そのものと同じくらい重要であることがわかった。消費者は、ブランドが世界の発展にどのように貢献しているかを重要視している。以上のことから、今日のブランドは、製品やサービスだけでなく、そのミッションやビジョン、価値観を示すことが不可欠といえる」とまとめた。

また同社は人々の関心事についても言及。ブランドの製品が消費者にとってどのようなベネフィットがあるかということだけではなく、ブランドがどのように世の中の役に立つのかということにあると話している。