3月27日、東京・お台場にある商業施設「ヴィーナスフォート」が閉館を迎えた。
ヴィーナスフォートは、1998年8月に中世ヨーロッパの雰囲気が特徴的なテーマ型ショッピングモールとしてオープン。閉館までの22年強で、のべ2億人を超える人が来場したという。
閉館を前に、施設を運営する森ビルでは、J-WAVE「MORI BUILDING Tokyo Passport」でラジオCM「ありがとうヴィーナスフォート」シリーズのオンエアを開始。また、YouTube、公式サイトでもラジオCMを公開した。
「3月27日に、その22年間の歴史に幕をおろすヴィーナスフォート。建物の記憶を、音声で残すことができないかと考え、ゆかりのある様々な人にインタビューを行い、その声をラジオCMにしました」と、プランナーの一人、早坂尚樹氏。
今回制作されたラジオCMは、Web限定CMも含めて9本。登場しているのは、ヴィーナスフォートで働く人、近隣の施設で働く人、そしてお客さまと、いずれもヴィーナスフォートにゆかりのある人たちだ。
「ヴィーナスフォートには教会を模した広場や結婚式場があり、そこで結婚式をあげた人たちに話を聞いたらどうだろうというところからはじまり、他にも施設の歴史を知る人ということで、開業以来お店を営んできた店長さんや、インフォーメーションスタッフとして施設を見守ってきた方にもお話を伺いました」と、もう一人のプランナー、正樂地咲氏。
中でも特筆すべきは、企業の垣根を越えて出演している近隣施設の人たち。「お台場」という街づくりに、共に歩んできた人たちの声を「共に育った仲間たち」篇、「仲間たちからの贈る言葉」篇の他、Web限定CMで聞くことができる。
「お台場には様々な商業施設があることから、その切磋琢磨してきたライバルたちからメッセージをいただけたらきっと他にはない粋なものになるのではないかと提案したところ、企業の垣根を超えて快諾いただきました。一般的にはなかなか難しいお願いだったと思いますが、これまでヴィーナスフォートさんや他商業施設の方々が力を合わせながら一緒にお台場という街を盛り上げてきたからこそ、実現できた企画だと思います。なんて素敵な関係性なのだろうと思いました」(早坂氏)。
このラジオCMの主役は、出演する人たちの声。そのことを意識して、不必要なナレーションはすべて排除したという。
「なるべくリアルな声を引き出そうと、インタビュアーもひとりに固定せずに、話しやすい雰囲気づくりを心がけ、本当にさまざまな質問をさせていただきました。通常、ラジオはひとりで原稿を書くことが多いですが、今回は意見を出し合いながら、一緒につくることで、よりいいものにできた気がします」(早坂氏)
ラジオを聞いた人から、「泣きそうになった」など閉館を惜しむ声が、SNSに上がっている。その声を聞いて、制作スタッフは「あらためてヴィーナスフォートがお台場の顔として、多くの方々から愛されてきたのだなと実感しました」と話す。
3月27日、ヴィーナスフォートではイベントやセレモニーを実施。惜しまれながら閉館となった。今後、同施設のある臨海副都心エリアでは、新たな賑わい創出に資する施設が企画・検討されている。
スタッフリスト
- 企画制作
- 電通+ビッグフェイス
- CD
- 澤本嘉光
- 企画+C
- 正樂地咲、早坂尚樹
- Pr+ディレクター
- 森田一成
- ミキサー+録音
- 犬丸正弘
- ミキサー
- 清水勇輝
- 録音
- 西野公樹
- Pr+音楽
- 東竜太
- AE
- 帯向麗生名 、鈴木洋太郎
- NA
- 池渕厚子
新着CM
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