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顧客の場所と瞬間を捉えた双方向コミュニケーションを目指す

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OOHのデジタル化が進むなかで、よりWeb広告に近い運用も可能になっている。ターゲティングや効果分析の期待も高まっている。空港を起点としたDOOHメディア開発に携わる全日空商事の林伸行氏に、現状について話を聞いた。

全日空商事
デジタルメディア事業部
トラベルメディアチームリーダー
林伸行氏

モバイルコンテンツ開発会社にて事業開発及び事業責任者を経験後、2014年に全日空商事に入社。マイル関連事業を担当した後、ANA Xに出向し、顧客マーケティング及び新規事業開発業務に従事。2020年帰任後は、トラベルメディア構想を立ち上げ、現在トラベルメディア事業の事業責任者を務める。

 

Q. OOHメディアだからこその価値をどう捉えていますか。

A. 「その場所にある」という価値を最大限活用すること。

「その場所にある」という価値です。我々が展開するDOOHは現在、空港に特化していますが、将来的には旅客導線上のタッチポイントに拡大したDOOHネットワークを構築します。その中で旅行や出張のシーンを捉え、明確な「トラベラー」というターゲットに対してモーメントでのコミュニケーションを提供し「場所」としての価値を最大限活用していきます。

また今後、顧客とのコミュニケーションは多様化され、モーメントでのアプローチやパーソナライゼーションが進んでいくでしょう。OOHメディアは、まだインタラクティブ性において発展途上ではありますが、仮に全国のDOOHをデジタルでつなぎ、センターコントロールですべてを管理できるような世界になると様々な可能性が広がります。

単なる全国的な広告媒体だけでなく、場所や移動に応じた双方向での顧客体験の創出や公的な活用、リアルタイムデータ連携や様々なデバイスとの連動による1to1コミュニケーションなど、顧客との関係性深化の一助となるメディアになることができると考えています。

Q. 広告主企業がOOHメディア活用において抱えている課題は何でしょうか。

A. マス広告と比較しても、効果の可視化と分析が遅れています。

効果の可視化および分析が課題と考えます。Web広告はもちろんのこと、マス広告と比較してもOOH広告は遅れている状況だと思います。OOHメディアは、施策の展開方法によっては、アッパーファネルからボトムファネルまで多様にアプローチできるメディアです。

しかし、現状それに対する定量的なアウトプット(ブランドリフト・サーチリフト・来店計測等)ができていない媒体が大半です。コロナウイルスの感染拡大による移動制限などもあり、徐々に移行傾向にはありますが、投資の兼ね合いも含め、業界での進化が遅いと感じています。我々としても、そのような課題に対して、媒体側への付加価値提供、および広告主企業への広告効果の最大化と消費者への体験価値向上を実現していきたいと考えています。

Q. 最近のOOHのデジタル化の動きの中で、特筆すべきものはありますか。

A. センシングやAIと連動した顧客起点の取り組みが進んでいます。

世界ではOOHのデジタル化が進み、センターコントロールでのプログラマティックな制御やデータ連動によるターゲティング配信、また、センシングやAIと連動したモーメントでのコミュニケーションなどにより、様々な顧客起点での取り組みが多く見受けられます。また、クリエイティブについても2Dに留まらず3D、4Dといった映像の高度化や体験価値の最大化が進んでいると感じます。