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「インパクト」と「話題化」のその先 広がる枠を、デジタルで管理

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OOHにも普及した、DX化の波。NTTドコモと電通によって2019年に設立されたLIVE BOARDでは、携帯電話のネットワークを活用して人流をとらえ、インプレッションに基づいた広告配信を実現している。代表取締役社長の櫻井 順氏に話を聞いた。

LIVE BOARD
代表取締役社長
櫻井 順氏

1998年、電通入社。テレビ局に配属。以後、MCプランニング局、グローバル・メディア&デジタル室にてメディア・コンテンツのプランニングとバイイング、番組コンテンツやイベントの立ち上げやプロデュースに携わる。2015年、dentsu X Chinaへ出向。2019年、dentsu X Vietnam CEO。2021年より現職。

 

Q. OOHメディアだからこその価値をどう捉えていますか。

A. 個人が電源を切ることができず、街の中で常に視認できる状態であること。

家から一歩外に出ると、様々な屋外広告が目に入ってきますが、看板やデジタルサイネージなどを活用した広告が「OOH」と呼ばれるものです。現代は屋外・交通機関(電車・バス・タクシーなど)という概念を超え、商業施設内などのデジタルサイネージを活用した広告も含まれます。

コロナ以前、人は1日の3分の1は外出しているといわれており、そのためOOHはテレビに次ぐリーチがあるといわれてきました。OOHの特長として、【ブロード・リーチ】【強制視認性】【インパクト】【リーセンシー効果】【公共性】などがあげられます。個人が電源を切ることができず、街の中で常に視認できる状態であり、老若男女問わずにリーチができるところです。またそのサイズ感、存在感は視認者へ強い印象を与え、視た人の購買行動に影響を与えることができます。そのためOOHを掲載するには厳しい審査があり、OOH広告ができる広告は、それ自体の信頼性の担保にもつながります。

Q. 広告主企業がOOHメディア活用において抱えている課題は何でしょううか。

A. 「インパクト」と「話題化」のその先にある、価値基準や効果の可視化。

期待されている効果として、「インパクト」「話題化」が多くみられます。逆をいうと、それ以外OOHにはできないという根強い印象が残っているという点です。

実際問題、広告主が抱える問題の多くは、OOHにおける「価値基準がわからない」「広告効果がわからない」という評価を受けます。デジタル化に伴い、OOHもWeb広告に近い計測として、インプレッション(広告視認者数)による販売が可能となっています。従来の販売方法が身に染みている広告主にとっては、テレビ、デジタルに加え、第三のメディアとしての評価はまだまだ低い。その点で、媒体側が提案しづらい面があるといえます。

Q. 最近のOOHのデジタル化の動きの中で、特筆すべきものはありますか。

A. ビッグデータを活用することで、より精緻な効果測定が可能に。

OOHも、昨今のDX化による恩恵を多く受けています。当社でも、プラットフォームによる媒体管理(販売・在庫/空き枠)の一元化、インプレッション販売、ターゲティング配信、効果測定など、“ヒト”基点による配信が可能に。NTTドコモのビッグデータを活用し、デジタルOOHの機能を拡充し、屋外広告や交通広告の枠を超え、商業施設や店舗等、各所のデジタルサイネージを通してネットワークを拡大しました。

今後はすべてをプラットフォームで一元管理することで、これまで難しかった空き枠を簡単に確認し、買付や、配信までを行えるようになっていきます。「どんな人が」「いつ」「どこで」等のモーメントを網羅し、必要な人に必要な広告を届けるということも可能になります。今後はさらなる精緻なデータが必要とされ、その上でのタイムリーな配信、計測、効果測定が求められると考えています。