ネットモールなどを運営する企業と行政が共同でネット通販などを利用する消費者の利益の保護を図る「取引デジタルプラットフォーム(DPF)官民協議会」の初会合が6月2日、開かれた。委員からは「取引デジタルプラットフォームを利用する消費者の利益の保護に関する法律(取引DPF消費者保護法)」で課された取り組み状況の報告や、消費者などへの説明が必要などといった意見が挙がった。
5月1日施行の「取引DPF消費者保護法」は、ネット通販などで販売業者と購入者との間でトラブルが生じた際、販売業者に連絡を取りやすくするための措置などを努力義務として課している。出品停止や、販売業者の情報開示請求についても定める。第1回会合では、業界団体が会員社がサイト上で設けている連絡体制などについて紹介した。
取引DPFは、ネットモールのほか、「UberEats」や「出前館」などのデリバリーサービスや、リターン(返礼)型や購入型のクラウドファンディングも含まれる。販売業者が特定取引法上の通信販売業者であり、サイト上で商品の売買契約や有償のサービス提供契約の申込みが行われることが条件。CtoC(個人間)サービスでも販売側が業者であるケース、いわゆる「隠れB」については運用上の重要な課題として残る。
官民が共同で業界の整備を図る共同規制方式を採る。企業側の自主性が保たれるメリットがある。一方、悪質な事業者への実効性をどう持たせるか、行政の指針に沿って取り組む企業を消費者が選びやすくなるような情報発信についても意見が挙がった。
取引DPF官民協議会は年2回開催する。来年5月をめどに2022年度の施行状況の取りまとめなどを行う。次回開催は10月ごろを予定する。
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