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1億総小売時代にEC担当者が知っておくべきこと

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様々なECプラットフォームが存在する今、誰でも気軽にECを始めることができる。しかし、立ち上げることができても、売上を上げて、継続させるというのは、簡単ではない。全国のEC担当者を応援する川添隆氏に注視すべきことについて話を聞いた。

※本記事は、2022年7月1日発売の『販促会議』2022年8月号の転載記事です。

Eコマース先生
川添 隆氏

全国の Eコマース担当者を応援し、Eコマースビジネスの可能性を伝えるEコマース業界の先生として活動。また、オンライン・オフラインのコマースに関わる事業設計・仕組みづくり・システムを伴うサービス開発のプロデューサー。

ECが世の中に浸透してきた歴史を振り返ってみると、世界各国それぞれ、その浸透レベルが違います。アメリカでは、店舗の網羅性を考えるとECがなければ生活できないというほど必要なチャネルとしてECは広がり、今ではEC大国になっています。

誰でもECを始められる 1億総小売時代に

日本はというと、人口に対して店 舗数が多かったとされるため、常に ECは店舗と比較されてきた歴史が あります。例えば、2000年前後に楽 天市場やAmazonが出てきたタイミ ングでは、店舗より、安くて品揃え がよいことがメリットとして利用されていました。そのあとに、店舗に わざわざ行かなくても、商品が買えるという利便性の面に注目が集まり、 ECの利用が拡大しました。

このようなECの歴史があったからこそ、ユーザー側はコロナ禍になっても、ためらいなくECを利用できたのだと思います。特にコロナ禍初期では、生活家電などの生活環境を整える商品のECが短期的に好調で、Uber Eatsや出前館などのフードデリバリー系サービスは継続的に利用されています。しかし、コロナ禍のアメリカでは食料品のEC化が一気に進んだのに対して、日本ではこの1 年くらいで各社がネットスーパーを強化し始めているという状態です。ただ特徴的なのは「メルカリ Shops」では、農家自身が食材を出品して、それが売れるという特殊なマーケットができ始めていることです。

私自身、今後注目しているのが、クリエイターエコノミーの文脈で拡大するP2C市場です。インフルエンサーを含めてクリエイターがモノやデジタルコンテンツなどをオンライン販売する動きは、グローバルでも同じことが起きています。まさに1億総小売時代がやってきているのを感じています。

日本ブランドが注視すべき海外ECの動き

フードデリバリー、農家、クリエイターなど、どんどん国内のECが活況になっていく中で、事業者側が見逃してはいけないのが、越境してきている海外ECです。特にアパレルがわかりやすいのですが、中国発ファッションブランドの「SHEIN」や韓国のファッションモールなどが日本に進出し、劇的に流通総額を伸ばしています。国内のアパレルメーカーやECは食われている状況を理解すべきでしょう。過去のファストファッション上陸と同様ですが、外資のシェアが高まっているのは間違いないです。

もちろんこれは、アパレルや若年層だけの問題ではなく、同じようなケースは増えるはずです。日本のメーカー・小売は注視して、国内市場だけでなく海外市場も視野に入れる必要があるでしょう。ハイコンテクストな文脈とそれを表現できる技術の両方をセットで持っているのが日本のブランドの強みです。ただし、伝え下手などマーケティング全般の弱さは否めないので、わかりやすくユーザーに伝え、商品を磨き続けることが、今後の市場で生き残る手段だと思います。

―本記事の続きは、7月1日発売の『販促会議』2022年8月号で読むことができます。

月刊『販促会議』8月号

 
【巻頭特集】
地域産品・メーカー・小売・サービス
1億総“小売り”業種別ECビジネス
 
■INTERVIEW
1億総小売時代に見極めるEC事業者が知っておくべきこと
川添 隆(Eコマース先生)
 
情報発信とコミュニケーションを重視漁協が運営するオンラインストア
綾里漁協オンライン
 
“できたて”という新しい価値を提供し、店舗が休業してもECで成長した「PUFFZ」
トランジットジェネラルオフィス
 
多様な商品やコラボが話題になった「STEAM BREAD」が急成長した理由
THINGx
 
コロナ禍でも地域の食文化を継承高いリピート率を誇る「イチバのハコ」
こはく
 
ECだからこそニッチな需要に対応右肩上がりで成長を続ける「額縁のタカハシ」
額縁のタカハシ
 
■OPINION
ECモールにおける店舗の入り口「商品ページ」作成でユーザー目線を意識
小林 修(楽天グループ)
 
ネットショップの持続性を高めるのは「簡易性」「費用」「SNS連携」
山村兼司(BASE)
 
「こだわり」や「ストーリー」でブランドの認知をあげ、ファン獲得につなげる
武田康平(マクアケ)
 
■COLUMN
「商品力」そのものに目を向け直すEC海外市場への参入や拡大のリスクとは
小澤良介(セラシオ)
 
■TOPICS
ギフト市場の変化を読み解く注目される自社ECサイトのソーシャルギフト対応
ロックウェーブ
 
購買までの優れた体験をデザインする販促ソリューションのNo.1パートナーへ
電通プロモーションプラス
 
【特集2】
新規顧客を常連に!
ゼロから始めるリテンションのポイント
 
■OPINION
ゼロから始めるリテンションのポイント
大坂祐希枝(カスタマーサクセス推進協会)
 
【手法別にみる基本のポイント】
・ダイレクトメール 近藤寛一(グーフ)
・メール 渡邉弘一(ユミルリンク)
・アプリ 中川綾香(ヤプリ)
・SNS 加藤喜大(LINE)
 
■INTERVIEW
実証実験に学ぶ!リテンション施策の効果的活用
野口健介(日本リテンション・マーケティング協会)
 
■シリーズ
【販促の基本】
POP
全P連(全日本POPとそれにまつわる諸々のこと連盟)
 
【METHOD】
㊙公開 これがプロの企画書だ!
プリングルズ
「ココロオドル プリングルズダンスコンテスト」の企画書
髙野晋也(面白法人カヤック)