ヤフーは、同社が運営するネットモール「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」を10月にも統合し、リニューアルする。リニューアル後の名称は「Yahoo!ショッピング」を引き継ぐ。グループ各社からの送客を集中させる狙い。
デザインや検索性といった機能を強化するほか、優先的にアピールする「優良ストア」の基準を引き上げる。「優良ストア」は、元々「PayPayモール」が出店企業を限定していたことが由来。同モールは2019年10月開設で、出店者数は約1700だった。
「優良ストア」はトップページなどからの誘導を強化するほか、検索結果の一覧でもアイコンを掲出するなど、表示でも優遇する。注文の翌日から翌々日までに配送する「優良配送」を実施する出店者は、リニューアル前の8月ごろから、訴求を強めるほか、出店者向けにキャッシュバックキャンペーンを実施。出店者が「優良配送」に対応するよう促していく。
「Yahoo!ショッピング」と「PayPayモール」の2つのネットモールがあることで、LINEなどZホールディングス(HD)のグループ企業からの送客が分散してしまう課題があった。利用者からも「違いがわかりにくい」という声があったという。
2021年のZホールディングスの物販系eコマースのうち、ショッピング事業の取扱高は1兆6971億円で、20年から13.0%伸長した。eコマース全体の取扱高は3兆5788億円で同比10.9%。国内eコマース流通総額が5兆110億円(同比10.4%増)だった楽天を追いかける。
ZHDは2022年度の戦略投資500億円〜700億円のうち、コマース事業に約半分を振り分ける方針。ほかにLINEのソーシャルギフトサービス「LINEギフト」や、ライブコマースの「LIVEBUY」、ヤフーと出前館、アスクルが運営する食料品や日用品販売の「Yahoo!マート」がある。「Yahoo!ショッピング」では新規購入者の獲得に力を注ぐ。
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