社長もアバター化
あいおいニッセイ同和損害保険は2025年までに「メタバース」向けの保険商品の開発、提供を目指す。メタバースの普及を見据え、利用者の写し身となる「アバター」の乗っ取りなど、特有の被害を補償する保険商品をメタバース事業者などに販売する。自社でも社外向けイベントや、従業員同士のコミュニケーションなどにメタバースを活用する方針。
保険商品として検討するのは、アバターの乗っ取りやなりすまし、第三者からの不快な言動や行動など利用者個人向けから、サーバー攻撃やシステムトラブルなどでサービスが正常に提供できなくなった際の補償、メタバース内で勤務する人に対する賃金の不払いなど。
メタバース活用の第一歩として、新納啓介社長のアバターを制作した。7月には社内報など社内向けに登場するほか、2022年内をめどに、取引先の保険販売代理店に向けた説明会などのイベントでも披露する。
働く場所としての活用では、「メタバース支店」の開設に向けた検討を始めた。障害などの理由で社外対応が困難な社員が、メタバース支店で保険商品の説明や販売時に活用する。
メタバースは、さまざまな領域のサービスやコンテンツを提供し、もうひとつの生活空間のように利用できる仮想空間を指す。米ブルームバーグなどの推計によると、ゲームやソーシャルネットワークサービス、デバイスなどのテクノロジー企業などがけん引するメタバース市場は、2024年までに世界で8000億ドル規模への成長が見込まれる。
あいおいニッセイ同和損保ではほかに、自動車保険加入時に事故の疑似体験でメタバース活用を検討しているほか、グループ企業の三井住友海上火災保険でも、5月にメタバースプロジェクトを開始している。
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