日本パッケージデザイン協会は2月2日、都内で「日本パッケージデザイン大賞2023」の贈賞式を開催した。今回、大賞を受賞した資生堂「BAUM」の担当デザイナーらをはじめ、入賞した各デザインの事業会社担当者やデザイナーらが出席した。
1985年から隔年で開催してきた本アワードは今回で20回目。応募総数は1060点で、入賞作品は31点となった。
「BAUM」のデザインを担当した資生堂クリエイティブの山田みどり氏は、木工デザインを手がけた熊野亘氏(デザインオフィス kumano)とともに登壇。「樹木との共生」を掲げたパッケージデザインの実現にあたり、カリモクの家具の廃材を使うという未だかつてない取り組みの裏側を振り返った。
BAUMでは現在植樹活動も始めており、「30年後に循環が体験できたらより深いブランドになっていくのでは」(山田氏)と長期的なブランド育成に向けて意欲を見せた。
同協会理事長の小川亮氏(プラグ 代表取締役社長)は冒頭、社会におけるパッケージデザインの役割や入賞作の傾向についてコメント。「環境に配慮しながら新しい答えを出す、“減らすだけではなく豊かさを諦めない”デザインが目立った。不安が多く立ち込める世の中だが、心がほっこりするようなデザインにも多数出会うことができた」と述べた。
資生堂クリエイティブの信藤洋二氏も式の終盤に審査総評を述べた。かつて2011年に「エコデザイン部門」が創設され、その最初の受賞作が日本コカ・コーラ「い・ろ・は・す(天然水)」であったことに触れた上で「十数年前は特別なものであったエコデザインは今や特別なものではなくなった。デザインには物語が大事で、サステナビリティと体験価値をスマートに結び付けていたデザインが評価された」と締めくくった。
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