コロナ禍で売上拡大　一過性でない“良質”な認知を求めテレビを活用

―アイチョイスの事業概要、初めてのテレビCM出稿の目的についてお聞かせください。

浅野：愛知・岐阜・三重・静岡を事業エリアに、3つの地域生協の宅配サービスを中心に事業を展開しています。新東通信さんとは10年以上にわたる関係で、主にWEBプロモーションによる新規会員の獲得施策をお願いしています。

当生協連合会では、2019年に発生した新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、外出することなく買い物ができる宅配サービスの需要が急速に伸び、当生協でも組合員数が急増しました。

しかし、この増加は「アイチョイス」としての需要よりもおそらく「宅配サービス」としての需要が大きく、この先も伸ばし続けるには「アイチョイス」の強みや魅力をもっと伝えていかなければいけない、そのためにはブランディング視点の取り組みも必要で、当生協としては初めてとなるテレビCMの出稿を検討しました。

テレビCMで見込み客の認知を広げて、WEB施策で会員獲得につなげる動線の構想を描き、2021年秋に新東通信さんの協力のもと初めてテレビCMを出稿しました。

大橋：アイチョイスさんとは私が新人時代に飛び込み営業した時からのお付き合いで、現在のテレビCM運用に至るまで支援させていただいています。生協の宅配事業者のなかでも、アイチョイスさんの強みは「安全・安心な暮らしづくりをサポートする取り組みの豊富さ」です。

有機野菜・無農薬野菜・減農薬野菜や化学調味料100％排除の実施、全商品原材料の情報開示などの試みにより、食の安全・安心への意識が高いファミリー層を中心に支持を集めています。

テレビCMについて相談いただいたのは、コロナ禍を背景に宅配サービス需要が高まり市場全体が拡大する真っただ中。比較的会員を獲得しやすい状況ではありましたが、コロナ禍の一時的な関係ではなく、生活を豊かにするサービスとして長きにわたり利用いただけるようCMプランを設計する必要がありました。

―アイチョイス、新東通信、ノバセルの協業に至った経緯をお聞かせください。

吉川：テレビCMの初出稿によりアイチョイスさんの認知が拡大していることは認知調査で確認できました。

一方で、次年度以降のメディアミックス戦略を立てるための費用感とテレビCMを継続する根拠を示すうえで、ターゲット認知率以外の広告効果を分析する必要性を感じました。2022年7月、テレビCMへの理解を深めようとノバセルさんに当社内でセミナーを開催いただき、アイチョイスさんにもご案内しました。そのセミナーが、今回の3社協業によるテレビCM施策のきっかけです。

浅野：テレビCMを始めて今後どのように展開するか思案するなかで、ノバセルさんの広告効果を「見える化」できる分析ツールは魅力的でした。この機会にぜひ知りたいと思い、新東通信さんのセミナーに出席させていただきました。

楠：ノバセルは企業目標である「マーケティングの民主化」にもとづき、テレビCMを中心に広告効果を客観的な立場で分析し可視化しています。支援対象は大きく２つに分けられ、広告主へ最適なマーケティング戦略とPDCAサイクルの運用を「直接」ご支援するケースのほかに、「広告会社と一緒に」広告主の課題解決に取り組むケースもあります。新東通信さんとはセミナー以来のお付き合いで、アイチョイスさんもセミナーに出席いただいたご縁で今回支援する運びとなりました。

ノバセルはテレビCM施策の「知りたい」に応える救世主

―アイチョイスのテレビCM施策にはどのような課題がありましたか。

吉川：広告会社の立場から様々な広告主と話すなかで、東海エリアの広告主は全体的にテレビCM出稿後の検証が不十分だと感じます。施策検証を行うとしても、テレビCMの建付けや実績を振り返るのが主でした。アイチョイスさんはより良い広告施策に向けた検証に意欲的であり、当社としてはその希望にお応えするため、ノバセルさんの指名検索数を効果指標にした“新たな物差し”に活路を見出しました。

楠：テレビCMの効果はとても見えにくいものです。WEB広告という広告効果が見えやすいツールが台頭し、そこに投資がシフトしてきていますが、当社が伝えたいのは「テレビCMも広告効果を見ることができ、これまで以上に効果的に使いこなせる」ということ。

これまで見えなくても仕方がないとされてきたテレビCMの広告効果を、自社・他社のテレビCM効果を比較できる分析ツール「ノバセルトレンド」で可視化することで、施策の詳細な効果と課題を表出化できます。また、デジタルマーケティングの手法とテレビCMの効果を紐づけることが得意な当社の強みは、アイチョイスさんの会員獲得フローでも発揮できると思いました。

―今回の施策で活用した「ノバセルトレンド」の効果はいかがですか。

吉川：いままで肌感覚で得ていた施策の手応えを、具体的な数値データとして見える化できることに驚きました。当社が制作した第2弾テレビCMを分析したところ、思い描いていた方向性で効果が出ていることを確認できました。

浅野：テレビCMを始めてから「認知度がこれだけ向上した」というデータは新東通信さんで調査してもらいました、それに加えて競合他社とのテレビCM効果がスコア化され、当社のテレビCMをターゲット層がどの時間帯に視聴しているかを指名検索の反応から把握できるなど、これほど精緻なデータを分析できるとは想像していませんでした。

大橋：営業担当としてはお客さまの大事な予算を預かっており、予算をかけてテレビCMを出稿している中で、テレビCMの効果を納得いただくかたちで提示したいと感じていました。テレビCMの当初の目的はブランド認知向上でしたが、全体予算の中でも投下規模の大きいテレビCMは、やはりアイチョイスさん社内でも会員獲得にどれほど寄与しているかも気にされるポイントだと感じておりました。ノバセルさんは広告主と広告会社の「知りたい」に応える分析ツールで、未来に向けたマーケティング戦略の立案をサポートしてくれた、まさに救世主です。

幅広い領域を分析し、最適解に近いマーケティング戦略を支援していく

―今後の展望をお聞かせください。

浅野：今後、テレビCMによる広告戦略を打ち出していくうえではコンバージョンへの寄与が重要だと思っています。広告施策を適切に評価して運用する際には、やはり効果が数値として見えるWEB施策が運用しやすいと言えます。ノバセルさんのおかげで、テレビCMの効果を見える化できました。WEB施策と同じく評価できるようになり、当社としてのテレビCMの向き合い方が変わっていくはずです。

吉川：浅野さんがおっしゃるように、認知を向上するだけでなくコンバージョンにも寄与していることを示していければ、アイチョイスさんにおけるテレビCMの立ち位置が明確になります。そのうえで各メディアを効果的に組み合わせ、最適解に近いマーケティング活動が展開できればと思います。

大橋：テレビCMは数ある広告媒体のなかでも影響力・予算ともにスケールの大きい施策です。だからこそ、これまで数値化できなかった領域を、今後も、ノバセルさんの分析ツールを活用して、ブランドの認知状況と会員獲得への貢献度を追跡していきたいです。

楠：当社にとって効果の可視化はあくまで手段であり、目指すのは「お客さまの成長支援」です。事業発展に寄与できるよう、これからもテレビCMをはじめデジタルやオフラインなどの幅広い領域を横断的に分析できるようチャレンジしたいと思います。

今回、アイチョイスさんにご満足いただけるテレビCM効果を生み出せたのは、長年にわたり広告施策に携わってきた新東通信さんのアクションがあったからこそ。テレビCMの価値を追求する広告主・広告会社を下支えする立場から引き続き支援していきたいです。