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意外と使える行政サービスコンテンツ 自社メディア読者に喜ばれるポイント

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全国の自治体が住民や企業向けに提供しているサービスや、補助金、助成金制度は、実に数千制度にも上る。しかし、その全容を把握している人はほとんどいないはずだ。認知度が低いため、利用率も伸び悩むという課題もある。

一方、「知っていれば使ったのに……」という経験を持つ人も少なくないはずだ。行政サービスや補助金、助成制度を、オウンドメディアや自社運営アプリのコンテンツとして活用し、ユーザーから好意的な反応を得る企業が出てきた。

「有益な情報」と読者に喜ばれた

実データ グラフィック

東北電力グループで電気通信事業のトークネット(仙台市)は、会員制法人プラットフォーム『よりそう東北コネクト』に、補助金や助成金などの行政情報を掲載している。アスコエパートナーズ独自の行政サービスデータベース「ジモトク」を導入した。

『よりそう東北コネクト』は2021年11月に開設した。グループの中長期ビジョン「よりそうnext」の下、東北・新潟エリアでの法人同士がつながる「場」となることが目標だ。

行政情報の掲載を始めたのは、法人読者の声がきっかけだった。「『行政の補助金や助成金などを活用して事業を展開したいが、種類が膨大で、探しきれない。内容もつかみづらいと感じることが多く、自分で調べるのが大変』という声をいただいていました」と話すのは、トークネットの小澤左京氏だ。

「ほかの法人さまにもお尋ねしたところ、同様のご意見があり、情報として需要があると考えました」(小澤氏)

反響は上々だ。『よりそう東北コネクト』会員から寄せられたのは、「自社で参考にするだけでなく、往訪先での話のタネにもなっている」という感想だった。会員に直接話を聞いたという小澤氏は、「『有益な情報です』とうれしいお言葉をいただきました。話のタネになるというのも、法人さま同士がつながる一つの形ではないかと感じています」と話す。

会員化への動機づけ、課題把握にも

アスコエパートナーズの「ジモトク」を基にした補助金、助成金情報は、『よりそう東北コネクト』会員限定のコンテンツとしている。


「行政情報が会員登録の動機となっているケースが増えています。さらに別のコンテンツにも関心をお持ちいただくという流れが生まれており、『ジモトク』の導入でプラットフォームとしての好循環が少しずつ巡りはじめてると感じます」(小澤氏)

『よりそう東北コネクト』の運営チームは会員のニーズ把握にも積極的だ。サービス開始以前からどんなコンテンツが望まれるかのヒアリングを重ねた。現在でもWebサイト上に設置したリアクションボタンの押下に応じて、時折り会員とコミュニケーションを取る。

「もちろん、押し売りのようなやり方は避けますし、丁寧さを心がけています。しかし、どういう情報を発信すればお役に立てるのか、そこが我々の存在意義だと考えておりますので、メールなどでお尋ねしています。無理にご回答いただくものではありませんが、どういったところに興味を持たれたかをお尋ねし、情報から提案につながったなどのヒントをいただくことが少なからずあります」(小澤氏)

「IT導入補助金の情報を掲載した際には、これまで当社とお付き合いのなかった地元企業の方から関心をお寄せいただき、地域の方々がICTやDXに関して具体的にどのような課題・ニーズを感じているのかを把握することができました。そのうえで、社内関係者と情報を共有し、この企業さまにお役立ていただけそうなICTツールを選定しご紹介することもできました」(小澤氏)

掲載しやすくコンテンツ整形

「ジモトク」の使用感を小澤氏に尋ねると、「掲載がしやすくありがたい。導入時の工数もそれほど負担に感じていません」との答えが返ってきた。

「『よりそう東北コネクト』の記事を見ていただいて、それに合わせて行政サービスのデータを整形し、納品いただいているので、ほとんど加工することなく公開できています。一作業者として助かります」(小澤氏)

読者に合わせて特定のカテゴリーを増やしたい、という要望にも応えてもらっているという。「単に掲載するだけでなく、会員にとって有益な情報発信になるよう、相談しながらできているというのが強力」(小澤氏)

コロナ禍まっただ中に開設となった『よりそう東北コネクト』。今後は、デジタルだけでなく、その先のリアルのつながりをも生み出せるプラットフォームになる、というビジョンも見えてきた。

「東北・新潟のビジネスで困ったことがあったら『東北コネクト』と思っていただけるようになりたい、と考えています。そのために東北・新潟の法人の皆さまに寄り添った内容にすべく、データ解析やサービス改善にも力を入れ、必要とされるプラットフォームに成長していきたいと思います」(小澤氏)

個人向けスマホアプリにも活用

消費者向けのサービスとして「ジモトク」を活用しているケースもある。大樹生命だ。スマートフォンアプリ「大樹らいふ倶楽部」で、子育てや高齢者向け、防災に関する行政制度の情報を掲載している。

「当社とお客さまはもちろん、地域でのお客さま同士でのつながりを深め、地域活性化を図るというのが『大樹らいふ倶楽部』のコンセプトです。行政制度情報も地域密着を図る目的で導入しました」(担当者)

それまで「地域密着・活性化」としてのコンテンツは、アプリユーザーの地元商店街を紹介する広告機能のみだった。そこに「ジモトク」を導入して行政制度情報を掲載し、厚みを持たせた格好だ。

写真 商品 スマホアプリ
写真 商品 スマホアプリ

「従来の紙チラシではなくスマホアプリによって行政制度の情報を発信が可能となり、生命保険以外の切り口で、お客さまとの接点を設けることができるようになりました」(同)

アクセスが多いのは、地震や津波、河川のはん濫など、被災の恐れがある地域を示したハザードマップや、子ども医療費の助成など。万一の災害や病気に関する情報に対するニーズが高いことがわかっている。

「行政情報を踏まえた上で、医療保険や損害保険をご案内するといった、補足情報としても活用していければと考えています」(同)

大樹生命でも「ジモトク」の利点として挙げるのは、「運用のしやすさ」だ。

「運用については当社の負担がほとんどないため、非常に使いやすいと考えています。今後『大樹らいふ倶楽部』は、お客さまご自身の契約内容確認や給付金の請求等がより簡単にできるアプリに進化させ、既存のお客さまを守り、新たなお客さまを増やすために必要不可欠なツールにしていきたいですね」(同)

知らないことで生じる不利益の回避

実データ グラフィック

ジモトクは23年6月時点で、個人向け行政サービスは全国自治体で100以上、事業者向けでは助成金、補助金のほか、金融や税制も含め約1700制度近くを扱う。

こうした行政情報自体はオープン情報だが、内製で集めるとなると、かなり工数がかかるのが難点だ。仮に1制度あたり10分で最新の正確な情報を得たとしても、全国の自治体数と、校正などの時間をかけていくと、所要時間は膨れ上がっていく。スクレイピングなどをしようとすると、個々の自治体のサイト構成や、PDFなどの扱いも考慮することになる。

「支援制度だけでも、知らなかったのでサービスを受けられなかった、という実感を持つ方は2割ほどいることが当社の調査でわかっています。しかし、それは氷山の一角。おそらく、あとから制度の存在を知ることがなかった、そもそも調べてなかった、という方が圧倒的に多いのではないかと考えています」と話すのは、アスコエパートナーズの平尾宣彦氏だ。

「制度自体はかなり網羅的に、さまざまなテーマ、対象のために手厚く用意されています。それだけに、アクセス情報などを見ていくことで、ユーザーが何を求めているか、というのが仔細にわかるほどです。

しかしより大きな視点で重要なのは、まだまだ制度を必要とされている方に、その制度がリーチできていないという点ではないでしょうか。一口にサービスを受けられなかった、と言っても、おそらくその深刻度には濃淡があり、受けていればより良い結果が得られていた、というケースもあるかと思います。そういったミスマッチを、企業活動の一端でなくしていくことも、社会課題の解決につながるのではないかと考えています」(平尾氏)

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