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百貨店初の廃食油を航空燃料化、日揮HDなど3社が大丸松坂屋と基本合意

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日揮ホールディングスとレボインターナショナル、SAFFAIRE SKY ENERGYの3社は9月6日、大丸松坂屋百貨店と使用済み食用油を国産SAF(廃食用油などを原料とする航空燃料)の原料に供給することで、循環型社会の実現を目指す基本合意書を締結した。廃食用油をSAF製造の原料に供給する具体的な取り組みは、百貨店業界で初めて。

SAFは、従来の航空燃料と比較しCO2排出量を大幅に削減することができる。航空機は自動車などと異なり、電気や水素などの燃料では代替しにくいことからSAFの利用によるCO2排出削減が世界で推奨されている。

大丸松坂屋百貨店は、まず大丸心斎橋店(大阪市)と大丸芦屋店(兵庫県芦屋市)に入居する飲食店などから出る廃食用油の提供を開始する。同2店舗から出る廃食用油は、全店舗(全国15店舗)の総排出量の約15%に上る。今後、提供店舗の拡大を目指していく。

排出される廃食用油をレボインターナショナルが収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYが計画するSAF製造装置に引き渡す。SAFFAIRE SKY ENERGYは、大阪府堺市のコスモ石油堺製油所で建設中の国産SAFの大規模生産プラントで、引き取った廃食用油を原料としてSAFを製造。国産SAFの生産プラントは日本初で、2024 年度下期~2025 年度初頭の生産開始を目指すという。

日揮HDは、廃食用油を原料とするSAF製造事業に関するサプライチェーン全体の構築を行っていく。

日揮HDが構築するサプライチェーン。大丸松坂屋百貨店が排出した使用済み食用油を、レボインターナショナルが収集し、SAFFAIRE SKY ENERGYがSAF(廃食用油などを原料とする航空燃料)へと製造する。

今回の合意について大丸松坂屋百貨店は、「本合意の元、トレーサビリティを明確にしながらCO2排出量削減を目指し、さらなる気候変動対策への貢献していく。また国産SAFの認知向上、普及の契機となるイベントなどを通して、お客様にCO2排出量削減に貢献する資源循環の重要性を継続的に伝えていく」とコメント。

その一環として、国内資源循環による脱炭素社会の実現に向け設立されたプロジェクト「Fry to Fly Project」にも加入した。廃食用油の供給に加え、百貨店を利用した本取り組みの周知・発信を行い、国内資源循環による脱炭素社会の輪を広げていくという。

Fry to Fly Projectは、国内資源循環による脱炭素社会実現に向けて、2023年4月に活動を開始したプロジェクト。同年8月末時点で、49の企業・自治体・団体が賛同している。賛同者は、SAFの原料となる廃食用油の提供や取り組みの周知・発信を通じて、日本国内における資源循環を推進する。

Fry to Fly Projectのキービジュアル

プロジェクトでは今後、日本国内で脱炭素化に向けた資源循環の促進に積極的に参加できる機会の創出を目指していく。

またSAFFAIRE SKY ENERGYは、2022年11月1日に日揮ホールディングスとレボインターナショナル、コスモ石油が設立した合同会社。同社により、国内で発生する廃食用油のみを原料とし、廃食用油の収集からSAFの製造・輸送・供給に至るまでのサプライチェーン構築を進めている。

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