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コラム

テレビとデジタルの正しい使い方 使いやすいテレビ広告をどうつくる?

ポイントは決定にかかわった“手触り感” テレビ局の変革とチェンジマネジメント

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改めまして、こんにちは。

日本テレビ営業局アドリーチマックス部の武井裕亮です。

連載の2回目となりますが、前回は今年6月に新設されたアドリーチマックス(ARM)部の紹介をさせていただきました。

少しだけ振り返ると、ARM部の目標として「テクノロジーの力でテレビ広告(地上波広告&TVer広告)を便利にして、デジタル広告とのギャップを埋め、外部プラットフォーム在庫との統合セールスを目指していく」というお話をさせていただきました(下記参照)。

実データ グラフィック

目標の一言目に“テクノロジー”とあるように「ARM」は大きな開発を伴うプロジェクトです。よってARM部の業務内容もシステム要件定義や細かな仕様検討が多くなりがちなのですが、今日は自戒の意味も込めて、この手のDX的なプロジェクトを進める上で難しくも大切にしているポイントをお話しできればと思います。

失敗と成功を繰り返して変わっていく

いまこの瞬間も多くの企業で「変革」が進んでいると思います。

そしてその変革を進める担当者が高く厚い壁に阻まれることも少なくないと思います。

私も仲間と一緒に日々悩み、失敗と成功を繰り返しています。(9:1で失敗が多いです)

このコラムを通して、変革を進めるみなさんの心を少しでも軽くしたり、背中を押したりすることができれば幸いです。少しお節介な内容になってしまうかもしれませんがお付き合いください!

チェンジマネジメントとは?

早速ですが、皆さんは「チェンジマネジメント」という言葉をご存知でしょうか?

チェンジマネジメントとは組織を変革する上でリーダーに求められるマネジメント手法で1990年代の不況にあえぐアメリカで生まれた考え方です。(興味がある方は検索してみてください)

チェンジマネジメントの目的は明確で、“組織に属するすべての人に変革を受け入れてもらい、適応してもらうこと”を目指しています。

しかし組織には応援してくれる人もいれば、興味のない人、さらに変革を好まない保守的な人もいて、トラブルや炎上を招く人もいます。そんな人たちを “チェンジモンスター”と呼んだりもします。

チェンジモンスターと向き合うことはリーダーにとって実に骨の折れる仕事です。

また変革を進めるリーダーは、無意識に知識や経験が高まるため、拒否反応を受けた時に「どうしてわかってくれないんだ」「勉強しないあいつらのレベルが低い」と“殻に籠る”という自己防衛に走ってしまうケースも少なくないと思います。

(私も思い当たる節がありすぎて怖いです)

一方でチェンジマネジメントの考え方では「組織が真の意味で変革するためにはリーダーは誰一人置き去りにせず、全員が適応できるように促し、支援するべきである」と考えられています。

変革する組織にとって大切なことは?

ちょっと話が飛ぶのですが、私は2019年まで報道局で記者をやっていました。

そのとき宮内庁担当の記者として壮大な「変革」を目撃したのですが・・・それは平成から令和への「改元」でした。

皇室の様々なルールや仕組みを定めた法律である「皇室典範(こうしつてんぱん)」には天皇の「退位」、つまり天皇が自分の意思で天皇を辞めるということが定められていませんでした。

しかし当時の天皇は国民や政府に向けて様々な手法でメッセージを発し、ある種のリーダーシップを発揮して国全体の議論を呼び起こすことで、限りなく多くの人の適応を促しながら「退位」という変革を成し遂げました。

当時、担当記者として日本中を駆け回りましたが、都会の官僚から小さな島のお婆さんまで本当に多くの人が「改元」について会話をしていたと思います。多くの人が「改元」を自分ごととして考えながら平成が終わり、令和が始まったな・・と記者としても強く感じました。(かなり壮大な例ですいません)

決定の手触り感とは?

そのとき感じた感覚を日本テレビ営業局で「変革」を進めるチームの一員としても意識することがあります。それは組織のメンバーに変革を受け入れてもらう上で大切なポイントは“決定の手触り感”ではないかということです。すでに結論が見えていたとしても、他に選択肢がなかったとしても、決定に自分も関わったのであるという“手触り感”がメンバーの適応を促す上でとても大事なんだと思います。

もちろんすべての細かい検討事項を組織全体の意思決定フローに乗せることは困難だと思います。だからこそリーダーは目利きをして、しかるべきメンバーの“手触り感”を得ながら、熱意を伝播させながら、決定事項を積み上げていくことが重要で、それが出来れば組織の変革もうまくいくのではないかと思うのです。

…と、偉そうに申し上げましたが私も何が正解かはわかりません。

ひとつだけ言えることは、どんなに良いプロダクトやシステムを完成させても、最後にそれを使うのは「人」です。その「人」に寄り添わずに何も成し遂げることはできないと思います。

幸いなことにARMプロジェクトは動き始めたばかりでサービス開始まで少しだけですが時間もあります。

我々のチームが業界や社会の変革に貢献できるようにみなさんにご指導をいただけると嬉しいです!

連載はもう少し続きます。お付き合いください。

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