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お客さまのニーズに対する仮説を立て データからアクション可能な洞察を得る

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「データドリブンなマーケティング」という言葉が新鮮に受け止められていた頃に比べると、もはやマーケティング活動におけるデータの利活用は、必須となってきている。データを利活用するためには、データを取得する必要がある。データを取得するためには、お客さまと直接つながる新たな接点をオンライン上でつくる必要がある…。やるべきことは見えていても、なかなかその実践は難しいもの。楽天グループの吉松 朋氏が国内企業の現状やマーケティングDX実践のポイントを解説する。

月刊『宣伝会議』2023年11月号(9月29日発売)では、「どうやってオンラインで顧客接点をつくる?どんなデータを取得すればよい? 実践!『マーケティングDX』」と題し特集を組みました。ここでは、本誌に掲載した記事の一部を公開します。

 

吉松 朋氏

楽天グループ
プラットフォーム戦略統括部
顧客戦略部事業開発課 課長
吉松 朋氏

大手求人サイト、ソーシャルゲーム、外資系ECサイトでの事業立ち上げを経て、2018年に楽天グループに入社。現在は日本の楽天ポイントの統括および楽天ポイントの外販事業を担当。

 
顧客にかかわるデータの利活用で、企業側からのニーズが高まっていると感じる活用方法や目的とは。

A.個別の顧客に合わせた体験とアクション可能なインサイトの抽出。

近年、顧客データの利活用における企業側からのニーズとして、以下2つの観点の高まりを感じています。

①パーソナライゼーションと類似セグメントの活用:企業は、個別の顧客に合わせた体験を提供するためにデータを活用しています。また、アクションを起こした顧客の特徴を分析し、類似したユーザーを特定して、新たな潜在顧客層にアプローチすることが重要です。例えば、特定のキャンペーンに参加したユーザーを分析し、その顧客に類似した行動パターンを持つ層を特定することでより有望なターゲットにリーチすることが可能になります。

②アクション可能なインサイト抽出の重要性:データを収集し分析するだけでなく、アクション可能な洞察を得ることが重要です。実際のビジネス行動に反映させることが成功の鍵です。

 
マーケティングDXに取り組みたいと考える企業が、最初の一歩として始められることは何だと思うか。

A.仮説を立てたうえで顧客の嗜好や行動パターンを理解する。

マーケティングDXという領域であっても、最初の一歩として重要なのは、お客さまが求めていることは何かを理解し、仮説を立てることです。その上で、データの収集や分析強化を進めていくべきでしょう。仮説を立てた上で顧客の嗜好や行動パターンを理解すれば、より効果的にターゲット化することが可能となります。

例えば当社では、楽天ポイントギフトカード For Businessを通して、既存のマーケティングキャンペーンのデジタル化を推進しています。得意先への付加価値提供やブランドの差別化において、デジタル化された景品が効果的であり、得意先がデジタルチャネルで利用できる景品を提供することでお客さまのその後の行動を捕捉することができます。

 
企業のマーケティング部門で必要とされるDX人材のスキルや素養とは。

A.具体的な課題特定やその解決実現を推進する素養。

マーケティングDXの成功には、DXを推進する担当に、システムやデジタル広告に関する知識などのハードスキルだけではなく、具体的な課題特定やその解決実現を推進する素養があるかどうかが極めて重要になります。

ハードスキルは必要ではあるものの、それだけでは不十分であり、マーケットやユーザーに対する深い理解が必要です。サービスの本質的な価値を把握し、顧客のニーズを理解し、それを技術的な解決策に結びつける能力が求められます。

また、課題解決への高いモチベーションも大切です。DXプロジェクトは複雑で困難なものが多く、様々な課題に直面するため、柔軟なアプローチで情熱をもって取り組むことが期待されます。

組織内に存在しないスキルや能力については、外部パートナーを積極的に活用するとよいでしょう。例えば、デジタル広告の運用スキルやポイントキャンペーンの設計といった、短期に獲得できないケイパビリティは、我々を含めたパートナーと協働することで、迅速に必要なスキルや専門知識を取り入れることができます。

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