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渋谷に2.7メートルのスマホオブジェ 電話が苦手な若者の「共感」を生む戦略、ソフトバンク

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東急東横線・田園都市線で電車ジャック広告も掲出

渋谷に約2.7メートルのスマートフォンオブジェが出現した。ソフトバンクは3月16日、モバイル通信サービス「LINEMO(ラインモ)」の認知度を高める施策として、若者をターゲットにした「#電話が苦手です」プロジェクトを開始した。渋谷PARCO前に着信中のスマホを模したオブジェを設置。周辺ではスタッフが15分おきに発生する着信音にあわてるといった演出も行う。若年層への訴求は「共感」がキーワードになるとして、突然の着信で緊張してしまう若者の心境に訴えかける狙いだ。設置期間は24日まで。


写真 人物 新生活を始める新社会人に「LINEMO」を提案したいと話す今井亮太部長(左)とコンシューマ事業統括の小室由香里氏
新生活を始める新社会人に「LINEMO」を提案したいと話す今井亮太部長(左)とコンシューマ事業統括の小室由香里氏

同社は2月28~29日、全国10~50代の男女を対象とした「電話とテキストコミュニケーションに関する調査」を実施。回答者の約4割が電話でのコミュニケーションを苦手と考えていることが分かった。理由として最も多かったのは「緊張するから」で、仕事関係だけでなく、友達との連絡でも苦手に感じる人が多かった。

苦手と感じたエピソードとして「相手のペースにのまれて伝えたいことを忘れたり、何を話しているのか聞き取りづらかったりすることがあった」などがあげられた。10~20代の回答者の半数は、電話が来ても折り返して連絡しないことも判明。電話よりテキストによるコミュニケーションを優先したいという若者は8割を超えた。

「LINEMO」は2021年に提供開始。総務省による携帯料金の引き下げを促す規制改革で、通信キャリア各社は安価な新料金プランを発表。NTTドコモの「ahamo(アハモ)」などに対抗するため、ソフトバンクは同プランをスタートした。

「LINEMO」はデータ容量上限において、LINEアプリを優遇するなどの特長がある。月額990円(税込)で3ギガバイトの「ミニプラン」、同2728円(同)で20ギガバイトの「スマホプラン」の2種類を用意。20~30代の若年層が利用者の半分を占める。ミニプランからスタートし、後にスマホプランに切り替えることが多いという。

利用者は徐々に増えているが、まだ認知度が低いことが課題としており、新生活の準備中の若者に向けたプロモーションを加速させている。印象に残るオブジェや共感を呼ぶキーワードで興味関心を引き、SNSで拡散してもらう戦略だ。オブジェの設置場所は若者の通行が多い渋谷を選択した。


写真 風景 電車ジャック広告
3月16日~4月1日まで掲出している電車ジャック広告

16日から東急東横線・田園都市線で電車ジャック広告も掲出。「電話した相手が出なかった。ちょっと嬉しい。」など、電話が苦手な人が共感できる言葉を並べている。掲出期間は4月1日まで。

同社LINE事業推進統括部事業推進部の今井亮太部長は「テキストでメッセージを送る人が増え、通話時間は減ってきている」と話す。LINEでのコミュニケーションが中心の若者に「LINEMO」を知ってもらい、自分で携帯料金を支払うようになった新社会人の選択肢として提案したい考えだ。

モバイル専門の調査機関であるMMD研究所が2024年2月2~5日に実施した移動体通信事業者(MNO)のシェアと満足度の調査(18歳~69歳男女)によると、メインで利用しているスマホ通信サービスは「docomo(27.9%)」「ahamo(6.0%)」「au(15.9%)」「povo(2.3%)」「UQ mobile(8.5%)」「SoftBank(10.9%)」「LINEMO(1.2%)」「Y!mobile(10.0%)」「楽天モバイル(MNO)(7.8%)」という結果になった。「ahamo」「povo」「LINEMO」を合わせたオンライン専用プランの割合は9.4%、「Y!mobile」「UQ mobile」を合わせたキャリアサブブランドの割合は18.5%。MNOの総合満足度は「LINEMO」がトップで、「povo」が続いた。

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