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熱狂的なファンダムへアプローチ!これからのインフルエンサーマーケティングの作り方

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「アドタイデイズリージョナル2024」大阪会場に、マーケティング支援会社の「トライバルメディアハウス」の髙野修平氏が登壇。エンターテインメントマーケティングのプロフェッショナルとして、これからのインフルエンサーマーケティングとタイアッププロモーションのアップデート方法について語った。

拡散できればOK!?インフルエンサーマーケティングの落とし穴

ソーシャル時代における「売上のメカニズム」を解明し、企業のマーケティング支援をおこなうトライバルメディアハウス。執行役員の髙野氏は同社のエンターテインメントマーケティングレーベル「Modern Age/モダンエイジ」の本部長でもあり、エンタメと企業のタイアップ施策を考案して数々のヒット事例を生み出してきた。

タイアップの提携先といえばメディアや芸能人・著名人のイメージが強いが、近年ではYouTuberやInstagrammer(インスタグラマー)などのインフルエンサーとのタイアップマーケティングが急増しているが、認知度、人気度、フォロワー度に重きを置いたキャスティングであったり、認知をとるだけではマーケティングとして成功したとは言えない。例えば30万人フォロワーがいるインフルエンサーとタイアップをして商品情報を拡散する場合、フォロワーは商品を知るきっかけを得るが、情報過多のこの時代に認知が興味へと繋がる可能性は低い。「『名前は知っているが買ったことはない』という声が落とし穴。認知はお金で買えるが興味と行動は買うことができない」と、これまでのインフルエンサーマーケティングの弱点を挙げた。

トライバルメディアハウス Modern Age/モダンエイジ事業本部 執行役員 本部長/レーベルヘッド 髙野氏。「現代はタイアップ戦国時代。勝ち抜くために念頭に置いておきたいのは、認知だけのマーケティングは終焉したということ」と語る。

可処分精神を考えることで、今後のタイアップの作り方が変わる

ではどうすれば認知の先にある、興味や行動へたどり着けるのか?その答えは、トライブという「年代や性別を超えて共通の趣味や価値観を持つ集団」に向けたマーケティングにあるという。ゲーム好きや音楽好きなど、どの趣味趣向のトライブをターゲットにするかを決めてそこに刺さるプロモーションを行うという考えだ。さらにトライブの奥を突き詰めていくと「可処分精神」という概念が見えてくる。可処分精神の正体は「気が付くといつも考えている」「そのことで頭がいっぱいになる」という、その人の人生においてかけがえのないものだ。可処分精神を獲得した物事や人は可処分時間や可処分所得まで抑えることができ、インフルエンサーマーケティングをアップデートする際のキーワードになるという。

「推し活」は歴史ある文化、人間の根源的な欲求へのアプローチを

エンターテインメント業界には、アイドルや役者などに可処分精神を占められた人たちが自腹で「応援広告」を作ったり、主演映画の推奨運動を起こしたりする自発的な拡散現象がある。このような現象は熱狂的なファンたちによる「ファンダム」という、最近の言葉に置き換えると「推し活」の文化から生まれたという。推し活は流行だと思われがちだが、江戸時代にはすでに歌舞伎のファンダムがあり、歌舞伎の世界を描いた浮世絵はファンダムから生まれたカルチャーだ。今でいうブロマイドのようなもので、「推しを持ち歩きたい」というファン心理は時代を超えても同じといえる。

「ファンダムは普遍的な文化であり人間の根源的な欲求。そこにアプローチをすることで強い影響力が発生する。タイアップの提携先を選ぶ基準は、知名度ではなく『ファンダムがあるか』が最終ジャッジメントとなる」と言葉に力を込める。

今後のSNS時代のタイアップの成功条件とは

SNS時代においてタイアップを成功させる条件は次の3つ。まずはファンダムへのアプローチに加えて、提携先への愛とリスペクトを忘れないこと。また、ファンダムが「ありがとう」と感謝したくなるような、サプライズを盛り込んだコンテンツを作り出すことも重要だ。最後に押えておきたいのはファンダムのSNS上での生息地。どこに着火をして広げていくか事前にメディア設計をしておくことも大切だという。以上を活かした事例として、姉弟ともに活躍している声優を起用した、ワイヤレスイヤホンとSpotifyとのプロモーションを挙げた。髙野氏は「姉弟の活動歴を徹底的にリサーチし、これまでの作品にはない音声広告を制作してSpotifyで拡散した。まず2人のファンダムが反応を起こし、アニメや声優好きのトライブまで商品の好感度が広まっていった」と振り返る。結果、このタイアップはアニメ好きトライブの広告接触者行動喚起率88%という好スコアを叩き出し、伝説のプロモーションと呼ばれるようになった。

タイアップを成功させる3つの条件を語る髙野氏。

ファンダムマーケティングを成功へと導く重要なKPIについて

ファンダムマーケティングのゴール(KGI)に向い、業績評価指標となるKPIを定量的にチェックすることも忘れてはいけない。KPIにはSNS・マスメディアなどのリーチ数やWEBニュースなどの話題・評判があるが、髙野氏はクチコミの量や質を計るエンゲージメントに絞って説明した。エンゲージの中でも注目すべきは初速度、熱狂度、越境度。ファンダムは良いと思った瞬間に動きだすため、24時間以内の動きをチェックして感情が込められたクチコミがどれくらいあるのかを確認するという。また越境度についてはワイヤレスイヤホンの事例を挙げ「アニメや声優好きをターゲットとした方がパイは大きかったが、濃度と動きが高いと分析して声優姉弟のファンダムに照準を定めた。ファンダムの熱い感情が周りへ届いていくことが重要であり、越境度が高まったらタイアッププロモーションは成功したといえる」と締めくくった。

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