都会で非日常感を演出
日本コカ・コーラは5月9日、ペットボトル緑茶ブランド「綾鷹」の体験イベント「綾鷹 雲海イマーシブ茶会」を開催した。場所は4月17日にオープンした商業施設の東急プラザ原宿「ハラカド」の屋上テラスで、期間は21日まで。4月のブランドリニューアルを記念したイベントで、新たなメインターゲットに設定した若年層に訴求する狙い。同時に、対面に位置する東急プラザ表参道原宿「オモカド」でもサンプリングを実施しており、両イベントで5万人に綾鷹を体験してもらうことを目標に掲げる。
会場内に立ちこめるミストとスモークで「雲海」を表現。まるで雲の中にいるかのような体験ができる。空を映した鏡や、雲をイメージしたクッションで、SNS映えする非日常感のある光景を演出。都会の喧騒を忘れてくつろげる場を用意することで、新しい綾鷹のブランドメッセージ「自分のリズムでいこう。」を体現している。リニューアルした綾鷹を配布するカウンターも用意した。
競合の緑茶飲料メーカーも体験イベントを充実させる中、ジャパン&コリアオペレーティングユニットマーケティング本部の塩田悠二氏は「『ブランド体験』と『飲用体験』の2つを重要視している」と強調。情報過多の社会において、ブランド名や特徴を周知するだけでは、定着させることはできないと話す。ブランドのメッセージを深く体験できる機会の提供によって、ファンの獲得につなげる考えだ。
「SHIBUYA109 lab.」の調査によると、高原や川などの自然でデトックスする様子をハッシュタグ付きでSNSに投稿する人が増えており、若年層の消費トレンドとしてデトックスが注目されている。「雲海」をイメージしたフォトスポットを多数用意することで、綾鷹のブランドイメージ向上とZ世代への訴求を図る。コロナ禍では試飲機会が少なかったことが課題だったが、今年は外出意欲も高まっており、リアル体験がますます重要になるとみている。
綾鷹は7年ぶりのリニューアルで中味やパッケージデザインを変更し、4月15日に全国販売を開始した。メインパッケージの容量を価格据え置きで従来の525ミリリットルから650ミリリットルに増量。20~30代の若年層をメインターゲットに変更しており、ブランドメッセージを通じて、様々な情報に囲まれて自分のペースを乱しがちな若者の共感を狙う考えだ。
止渇ニーズの高まりもあり、価格据え置きの容量アップがSNSなどで反響を呼んだという。ブランドアンバサダーに起用した宇多田ヒカル氏のキャンペーンなども好評で、既存客だけでなく、新規客の購入も増えている。ジャパン&サウスコリアオペレーティングユニットマーケティング本部の下永加奈子氏は「売り場での動きも期待以上の出足だった」と手ごたえを強調した。
初日にはタレントの「ゆりやんレトリィバァ」氏と山之内すず氏によるトークセッションを実施。「雲海イマーシブ茶会」を体験した感想などを語った。
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