※本記事は月刊『宣伝会議』2月号の連載「米国広告マーケティング事情」に掲載されています。
2020年2月に設立のEVERING(エブリング)は2021年に、キャッシュレス決済が可能なスマートリング「EVERING」をリリースした。「EVERING」は、ICチップを搭載したリング型デバイスで、Visaのタッチ決済に対応。充電不要でいつでも利用できる点が特徴だ。チャージした金額だけを使えるプリペイド式となっているため、使いすぎのリスクも回避できる。他にも、スマートロックシステムとの連携や社員証としての利用も可能になるなど、活用シーンは拡大している。
同社のビジネスモデルでは、ユーザーが「EVERING」を利用できる場所や場面を増やすためのBtoB領域のアプローチと、ユーザーを獲得するためのBtoC領域でのアプローチの双方が求められる。双方のアプローチ共に、これまではマス広告よりもPR活動やデジタル施策を中心に行ってきたという。新機能のローンチや事業提携などの際にプレスリリースを配信し、各種メディアでの露出を図るほか、リスティング広告やSEO施策も展開してきた。
テレビCM「ゆぴっ」より。様々なシーンで安心して使えるメッセージを伝える内容になっている。
これらの施策で利用シーンならびに一般ユーザーの拡大を実現してきたが、同社がテレビCMを含めた大規模な広告施策に踏み切ることとなった大きなきっかけは、2024年10月、関西圏の私鉄4社の自動改札機タッチ決済が利用可能になったことにある。これまでも一部鉄道で導入されていたが、2025年の大阪・関西万博を控え、利便性向上を目的に利用エリアが急拡大した形だ。
「EVERING」のユーザーは、年齢層も属性もさまざま。これは裏を返せば、対象市場が特段、絞り込む必要のないマスであるということでもある。そこで多くの自動改札機でタッチ決済が可能になった今回のタイミングで、広く「EVERING」の存在を知ってもらいたいと考え、関西エリアでのCM放映を開始した。
…この続きは12月27日発売の月刊『宣伝会議』2月号で読むことができます。
