縮小傾向の栄養ドリンク市場における戦略
佐藤製薬は「ユンケル」ブランドにおいて、野球の山本由伸選手と広告出演契約を締結した。テレビCMや店頭ツールによってブランドの販売促進を図る。若い世代はエナジードリンクを購入する機会が多く、栄養ドリンク市場は縮小傾向にある。ユンケルブランドにおいても若年層への訴求が課題となっており、同選手の起用によって認知度拡大を図る狙いだ。3月には同選手のプレーシーンのテレビCMを放映予定。2001年から広告契約しているイチローとのコラボ施策も展開する。
山本選手とイチローのコラボ施策も予定している「ユンケル」ブランド
山本選手は、昨シーズンにメジャーリーグベースボール(MLB)で活躍。営業推進部 宣伝課の三松浩一郎課長は「彼の卓越したスポーツパフォーマンスとプロ意識が、ユンケルが提供する活力と健康を象徴している」と起用理由を説明した。若手選手の中でも特に注目されている存在として、「フレッシュかつエネルギッシュなイメージがブランドイメージ向上につながる」としている。
ユンケルのターゲット層は若年層から中高年層まで幅広く設定しており、山本選手を起用することで若年層の開拓につなげる。特に20~40代の男女を中心に、学生やスポーツ愛好家などを主なターゲットとしている。
イチローとのコラボも予定施策も予定。今回の発表に合わせてイチローと山本選手からのメッセージ動画を公開している。
栄養ドリンクの国内市場は若年層のエナジードリンク購買機会の増加や、働き方の多様化などによって減少傾向が続いている。同社もエナジードリンクやほかの健康食品などの増加による影響を感じている一方、コロナ禍による健康意識の高まりにより、ユンケルの需要は増加しているという。今後、現代の疲れにあった形での処方の変更や、時代にあったパッケージへのリニューアルも順次進めていく方針だ。
